函館競馬場から望む“ブルー・マウンテン”に何が起こったか。2コーナー奥で目を引く、青一色の看板の謎を追ってみたところ-。
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久しぶりに競馬取材をするようになった昨年、夏競馬が始まったときに驚いた。函館芝1200メートル発走地点の奥に見えていた看板から「洋服の青山」の文字が消え、青一色になっていたのだ。
インターネットで調べてみると、今から10年近く前、その看板に変化があった模様。「閉店してしまったのでは」と心配する声もあれば、「あの青山はいまでも営業中」という情報も。なかには「大人の事情で広告がなくなった」「JRAによる圧力か」といった憶測まで飛び交っている。
果たして真相はいかに。出張中の函館で、競馬場での調教取材を終えたあと、地図を頼りに現地へ。漁火通りと呼ばれる国道278号に出ると、洋服の青山「函館湯浜店」の大きな看板が視界に入ってきた。近くで見ると、4面あるうちの1つだけ、真っ青に塗りつぶされている。うん、まさにあの看板だ!
店内に入ると、迎えてくれたのはすてきな笑顔の店員さんたち。
「お忙しいところすみません。実は取材者としてうかがったのですが…」
恐縮しながら名刺を出して事情を説明。丁寧に対応していただき、後日、本部広報にも正式に取材。その回答をまとめると…。
同店舗がオープンしたのは1992年3月。看板が変更されたのは、2017年8~9月ごろという。気になるその理由はJRAから要請があったわけではなく、「景観条例に従って変更いたしました」。都市景観の形成を目的に市が制定する条例に沿うべく、看板の一部が青一色になったとのことだ。
実際、函館市には、まちづくり景観課という部署が存在する。あの看板のどのあたりが条例に引っかかったか、念のため同部署に問い合わせたところ、ちょっと意外な回答が。
「当時の資料や履歴などを確認してみたのですが、市として何か指導した事実はございません。自主的に、4面看板だったものを3面にされたのでは」。
どうやら看板自体は、変更前からとくに問題はなかったそう。市の説明通りなら、一部が青一色になったのは、青山側の判断だったことになる。となれば将来、函館競馬場から「洋服の青山」の看板が見える日が再び来るかも?
解明されたかにみえた謎は逆に深まった気もするけれど、事実として伝えられることは、洋服の青山「函館湯浜店」に勤務するスタッフの対応力の高さ。競馬ファンにメッセージをと尋ねたところ、とびきりの笑顔でこんな言葉が返ってきた。
「当店は競馬場の近くにありますので、ぜひお越しくださいませ」
馬券を当てて、今度は洋服を買いにうかがいます。【奥岡幹浩】

