映画の祭典、アカデミー賞授賞式が今年も12日にハリウッドのドルビー劇場で行われ、最多となる10部門11ノミネートされていた「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が、作品賞、監督賞、主演女優賞など主要部門をほぼ独占する快挙で、アジアン旋風を巻き起こしました。アカデミー賞と言えば、受賞者は代名詞にもなっている「オスカー」像を授与されますが、賞金などの副賞はありません。しかし、オスカーを受賞することは、将来のキャリアやステータス、ギャラの大幅アップなど副賞よりもずっと価値あるものを手にすることが約束されることを意味し、まさにアメリカンドリームと言えます。

授賞式会場となるドルビー劇場
授賞式会場となるドルビー劇場

オスカー像を手にすることは、映画業界に関わる人なら誰もが夢見ることですが、トロフィーの価値はわずか1ドルとされています。オスカー像は、24カラットの金でメッキされたブロンズ像で、高さ約34.2センチ、重さは約3.8キロ。実際に持ってみると、意外にずっしりと重さを感じます。もちろん、製造コストは1ドル以上かかっていますが、1ドルという値段設定には訳があります。過去に作品賞を受賞した「風と共に去りぬ」(1939年)のオスカー像が競売にかけられ、マイケル・ジャクソンが154万ドルで落札したことは有名ですが(像はその後行方不明に)、これまでいくつかのオスカー像が高額で転売されています。そうした背景から、同賞を主催する映画芸術科学アカデミーはオスカー像の転売や処分を禁じる規定を設け、何かしらの理由で手放す場合は同アカデミーに1ドルで譲り渡すことが定められているのです。

今年のレッドカーペットの準備が行われていたハリウッド通り
今年のレッドカーペットの準備が行われていたハリウッド通り

オスカーに副賞はありませんが、俳優部門と監督賞にノミネートされた候補者には「Everybody Wins」と題した豪華ギフトバッグが贈られます。地元ロサンゼルスにあるマーケティング会社ディスティンクティブ・アセッツが提供するもので、アカデミーの公式ギフトではありませんが、その豪華絢爛(けんらん)な中身は毎年大きな話題を呼びます。21年目となる今年のギフトバッグの総額は、約12万6000ドルと伝えられています。今年のノミニーたちはどんなギフトをもらったのか、気になる中身をいくつか紹介します。

・イタリアの「イスキア島」にあるプンタインペラトーレ灯台に3泊滞在(最大7人の同伴可):9000ドル相当

・トーマス・スーDr率いる美容外科クリニックでの脂肪吸引:1万2000ドル相当

・著名植毛外科医による植毛修復コンサルテーション:7000ドル相当

・ボトックスやケミカルピーリングなどを含む美容整形:1万ドル相当

・カナダ・オタワ郊外にある高級施設ザ・ライフスタイルに3泊滞在(クラシックスポーツカーのレンタルや専用アーチェリー場などもある):4万ドル相当

ギフトバッグの中身を伝えるFORTUNEの記事
ギフトバッグの中身を伝えるFORTUNEの記事

この他にも、高級ハンドソープや安いものでは16ドル相当のチョコレートがカバーされたプレッツェルなども入っているとのこと。また、今年はこの豪華なギフトバッグは司会を務めたジミー・キンメルにも贈られたそうです。超豪華なバカンスが楽しめるなど良いことずくめのギフトバッグですが、米連邦歳入庁(IRS)はこれを課税対象の収入として見なしており、ギフトの中身が高額になればなるほど、多くの税金が課せられてしまうとのこと。なんともセレブなお話です。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)