ロサンゼルス(LA)の大型ショッピングモールで、30万ドル、日本円に換算すると4400万円相当の商品が盗まれる集団強盗が連続して起き、コミュニティーに大きな衝撃を与えています。

フラッシュモブの現場を撮影したビデオを公開する地元テレビ局のニュース画面
フラッシュモブの現場を撮影したビデオを公開する地元テレビ局のニュース画面

バッグやシューズ、洋服など高額商品を狙った組織的な集団窃盗は、公共の場で集団が素早く集まってダンスなどのパフォーマンスを行い、終わるとすぐ解散する「フラッシュモブ」のような強盗だといわれていますが、コロナ禍以降頻発しています。

最初の強盗は8日にLAの中心部から北に15キロほどのグレンデール市にあるショッピングモールで起き、真っ昼間にファッションブランド「イヴ・サンローラン」の店舗に約30人の集団が堂々と押し入り、30万ドル相当のハンドバッグや洋服を奪って逃走。現場で撮影された動画では、店内を荒らして片っ端から商品を奪い、屋外に待機させていた車に乗り込み猛スピードで走り去る様子が映っています。

1週間で3件の強盗が起きたことを伝えるFOXニュースの記事
1週間で3件の強盗が起きたことを伝えるFOXニュースの記事

それからわずか4日後の12日には、LAの北西部カノガパークにあるショッピングモール内のデパート「ノードストローム」でも同様に50人ほどの集団によるフラッシュモブ強盗が発生。警察によると、ここでも30万ドルを上回る被害が出たといいます。警察が公開した映像には、スキー用のフェースマスクで顔を覆った黒装束の集団が、入り口付近に陳列された商品を片っ端から奪い、店内を荒らして逃げ去る様子が映っています。入口にいた警備員が、窃盗団の1人に熊よけスプレーを吹き付けられたものの、銃やナイフなどの武器は一切使用されていません。ノードストロームはLA市内の別の店舗でも2021年にフラッシュモブ強盗が発生しており、これが2度目の被害です。

2021年にフラッシュモブの被害にあったザ・グローブ内にあるノードストローム
2021年にフラッシュモブの被害にあったザ・グローブ内にあるノードストローム

さらに同じ日に、そこから南東に40キロほど離れたロサンゼルス空港近くのショッピングモールでもサングラス店が襲撃され、2万ドル相当の商品が奪われたことが伝えられています。いずれも犯行メンバーの身元は特定されておらず、警察は情報提供を求めています。盗まれたのは転売しやすい高級ハンドバッグや洋服などが多く、盗品を販売するマーケットに横流しされていると説明。一方で市民や従業員に対しては、「このような場面に遭遇しても、身の安全を守るため、直接関わることはしないよう」警告しています。

多くの買い物客でにぎわうショッピングモールで起きた相次ぐフラッシュモブ強盗に「世も末」だと感じる住民も多く、俳優50セントは「LAは終わった。これからは施錠してアポなしの客は入れないようにしなければならないだろう」とSNSに投稿しています。しかし、この発言もあながち大げさではないのが現状で、こうしたフラッシュモブ強盗だけでなく、大手小売店やスーパーマーケットでの万引きや窃盗も頻発しており、ある意味「万引き天国」になっています。

万引き防止のため蓋部分が鍵付きケースに入っているウイスキー
万引き防止のため蓋部分が鍵付きケースに入っているウイスキー
洗濯洗剤を買うにも店員を呼び、鍵を開けてもらわないといけません
洗濯洗剤を買うにも店員を呼び、鍵を開けてもらわないといけません

自衛のためウイスキーやジンなどのアルコールのボトルを鍵付きケースに入れて販売するスーパーや、洗濯洗剤や10ドルに満たない商品まで鍵をかけて保管するドラッグストアが増えており、買い物1つするのも不便な世の中になりつつあります。インフレや物価上昇による購買力の低下で打撃を受ける小売企業にとってフラッシュモブ強盗は死活問題で、犯人逮捕と同時に再発防止も求められています。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)