寒の大チヌが好調に釣れ続く兵庫・武庫川尻へ6日、出掛けた。同所の「久保渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で午前6時すぎ、通称フェニックスへ渡り、フカセ釣りで挑戦。トントンのタナで探り始めるといきなり良型が連発。その後も、潮の変化に応じたタナどり、仕掛けの工夫、まき餌の投入点を変えながら攻め、午前11時前までに43~48センチを4匹釣り上げた。チヌが越冬に向けて活発にエサを追っており、しばらくは数、型ともに楽しめそうだ。【日刊FPC・兵頭良弘】

 越冬に備え、ぼってりと肥えた大きなチヌが重量感のある引きで竿を絞り込んだ。午前6時すぎ、フェニックスへ渡り、西向きの南側に入った。さっそくまき餌を用意。竿2本分沖を左へ流れる潮筋へシャクで10杯ほどまき餌を打ち込み、チヌを引き寄せる。

 狙うタナはトントン(ウキ下約4ヒロ)。まき餌が効き始めたタイミングを待って、オキアミを刺し餌に仕掛けを投入。潮下へ10メートルほど、ウキが流されたところで道糸を張って誘うと棒ウキがスルスルッと海中へ。

 なんと1投目からアタリ。竿を突き上げ、がっちり合わせるとガツーン。頭をガンガン振る大チヌの手応えが竿の胴に乗る。ラインの出し入れをしながら慎重に浮かせたのはぼってり肥えた43センチの寒チヌだった。

 さらに2投目も同様に流すと46センチが連発。釣り始めてわずか30分。これは2ケタ釣りかと思ったが、潮が込み始めると上潮が勢いよく流れだし2枚潮に。こうなると潮の流れをとらえにくい棒ウキは不利。ウキを5Bの円錐ウキに交換。5B、G2、G4オモリをハリスに段打ちし、ウキごと沈めて底潮をとらえていく。

 ポイントも出来るだけ安定させるために潮が速くなるにつれ、まき餌の投入点を潮上へずらして対応。そして潮位の上昇とともにウキ下を除々に深くしていくと午前8時すぎ、竿先をひったくるアタリでこの日最長寸の48センチがヒット。

 西寄りの向かい風が強く吹きだした午前10時前からはポイントを足元に集中。たっぷりとまき餌を打ち、波止際のべた底で46センチを追加した。だが、健闘もここまで。その後は足元に波がはね上がるようになり、やむなく納竿。武庫川尻の大チヌの魚影の濃さをあらためて実感し、午前11時前、後ろ髪を引かれる思いで波止をあとにした。

 【今後の見通し】しばらくの間は越冬を控えた大チヌの荒食いが期待できる。条件がそろえば年なしまじりで数、型ともに楽しめるだろう。

 【問い合わせ】久保渡船【電話】06・6416・0807。渡船料金は大人2200円、女性2000円、中学生1500円、小学生1100円。1番船は午前6時。エサ、仕掛け常備。最終の迎えは午後5時。季節によって変動。

 【交通】阪神電車の武庫川駅下車、国道43号下をくぐり、南へ進むと左側に同渡船。渡船場までは送迎有り。車では、大阪から国道43号を利用。武庫川手前を左折、南下すると同渡船。