厳寒期に愛好者が多いトラウトを狙うルアーフィッシング。その人気の秘密を確かめようと13日、兵庫・猪名川町にある「北田原ます釣り場」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)へ出掛けた。早朝から、多くのアングラーが河原に立ち、思い思いのルアーローテーションでヒットパターンを探究。神戸市の三軒隼人さんがミノ-で中層を丹念に探り、25~51センチを午前中に30匹ほどゲットした。ほかの人も好調で、山間特有の肌寒さを吹き飛ばすニジマスとの好ファイトを楽しんでいた。

釣り物が少なくなるこの季節。手軽に釣行でき、ゲーム性が高いことで人気を呼んでいるのが、ニジマスの管理釣り場だ。特に北田原は天然河川の猪名川を利用した釣り場だけに天気や流れの強弱、水温の変化などにより、ヒットパターンが異なるところが面白い。

午前7時すぎ、ルアー・フライ専用区へ行くと早くも20人ほどが、熱心にルアーをキャストしていた。上流ではスプーンのカラー、サイズを使い分けてマスの反応を探る尾田拓麻さん(宝塚市)がオレンジゴールドの3グラムで入れ掛かり。

「中層をゆっくり一定のスピードで引くのがいいみたいです」と25~35センチを次々に釣っていく。その少し下流では放流直後に深みに潜む、大型を狙おうと神戸市の三軒さんが奮闘。

ピンク系のミノ-(3センチ)で深みの中層を何度も引き、大物のバイトを引きだした。ロッドが大きな弧を描き、ドラグ音が鳴り響く。10分ほどかけて慎重にネットに収めたのは50センチを超えるグッドサイズだった。

ほかの人もタックルボックスにいろんなカラーや大きさのスプーン、ミノーなどをたっぷりそろえ、効果があるものを探していく。私も、大きめの派手なスプーンで活性を上げては白色の3グラムで中層をゆっくり引き、25~35センチを5匹ゲット。

そんな中、私の横で手慣れた竿さばきをみせたのが井戸嶺志郎くん(中1=たつの市)。大きめのスプーンで底をずる引きし、良型を食わせると余裕で応戦。腰を落とし、ロッドの弾力を生かしながら引き寄せる姿は大人顔負けのやり取り。

難なく取り込んだのは虹色のきれいな魚体をした43センチだった。釣った本人はケロッとした顔をしているが同行のお母さんはびっくり。「すごいね、大きいな」と大喜び。家族でわきあいあいとマス釣りを楽しむのもいいなと思った。河原のたき火で暖をとり、釣りたてのマスを塩焼きにして食べるのも楽しみ。家族連れやカップルにお勧めだ。

北田原では早朝に餌やルアーの時合があり、マスの警戒心が強くなる午後からはフライで数が伸びる。あとは日暮れ時にマスの活性がぐんと上がるのが特徴。当日は午前11時すぎに納竿したが、午後からも釣り客が続々と来場待ちをしており、あらためて管理釣り場の人気の高さを実感した。【日刊FPC・兵頭良弘】

【今後の見通し】今年は川のコンディションが良く、大雨などの大きな変化がない限り、ルアーで25~60センチ近いマスが20匹前後期待できる。大型にはミノ-が有効のようだ。またエサ釣りも好調で生イクラ、ブドウ虫をエサに25~40センチを1人30匹前後は釣れそう。放流量は1人約2・5キロ。マスのほかにもイワナやロックトラウト(マスとイワナを掛け合わせたもの)が放流済み。

【問い合わせ】北田原ます釣り場【電話】072・766・2208。営業時間は午前7時~午後5時。遊漁料金は大人(中学生以上)1日4000円、女性と小学生以下2500円=放流あり。午後からの半日券(放流なし)は大人2500円、女性・小学生以下2000円。ただし、半日でも放流すると1日券と同額。期間内無休。

【交通】新名神高速道路の川西ICを出て、川西インター西の信号を右折。県道12号を北上し北田原マス釣り場へ。電車は能勢電鉄の日生中央駅を下車。「杉生」、「柏原」行きのバスで大井バス停下車。タクシーで約10分。