<不整脈(7)>

 不整脈の中でも心房の拍動数が普段の5~7倍になってしまう「心房細動」は、発症してしまったら治療と管理が重要です。しかし、心房細動を予防できれば、これほどいいことはないでしょう。その予防となるのは、まずは生活習慣病の改善。とりわけ「高血圧」「糖尿病」「肥満」は心房細動を起こしやすくするので、その病気の管理はしっかり行いましょう。高齢になればなるほど心房細動は発症しやすいのですが、加えて、それらの生活習慣病があるとリスクはグンとアップします。その他には「心臓弁膜症」「甲状腺機能亢進(こうしん)症」のある人はその疾患の治療をしっかり行うべきです。

 そして、心房細動の誘発因子は「睡眠不足」「飲酒」「コーヒー」「ストレス」などです。

 ◎睡眠 睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、それが心房細動の発作を誘発します。質の良い睡眠を心がけましょう。睡眠不足のときは、上手に20分くらいの昼寝をするなどして対応するのが良いでしょう。

 ◎飲酒 アルコールも心房細動を起こしやすくします。基本は日本酒に換算して1日1合までがベスト、としっかり肝に銘じましょう。

 ◎カフェイン コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインには興奮作用があります。この興奮が心房細動を含めた不整脈を起こしやすくします。コーヒーなら1日3杯程度でしょう。

 ◎ストレス ストレスがかかると身体からさまざまなホルモンが分泌されます。その中でもアドレナリンは心拍数をアップして不整脈を起こしやすくします。ストレスは心房細動だけでなく、多くの疾患の発症原因なので、自分に合ったストレス発散法を選択し、身につけましょう。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)