今やスマホやタブレットを手にしていない人はほとんど見かけなくなった。移動時間にニュースに目を通したり、諸連絡を行ったり、ハイスピードな情報社会になくてはならないツールだ。インターネットの使用時間がストレスに及ぼす影響についての分析(※)では、高ストレス者と低ストレス者共に使用時間は「1~2時間程度」の回答が最も多く、いずれの割合も全体の2・5割程度と差が見られなかった。しかし「1時間未満」と回答した人の割合はいずれの使用時間でも低ストレス者の割合が上回っていたのに対し、「2時間以上」のネット使用では高ストレス者の割合が多いという結果に。「3~4時間程度」では高ストレス者が1・7倍という比率だ。

▼また、「1日のSNSの使用時間」を比較すると、これも「21~30分」という使用時間を境にストレスの高低の割合が逆転する。大きく差が開くのが「31~59分程度」の1・8倍で、「4~5時間程度」では、高ストレス者の比率は5倍以上にもなる。

ネット使用時間と比べてSNS使用時間のほうがよりストレスレベルの差が大きい傾向にあり、これにはコミュニケーション疲れが影響している可能性も。

▼「ネット使用3時間以上」かつ「SNS使用30分以上」と、デジタル依存度の高い都道府県をランキングにしたところ、上位3県は「沖縄」「山梨」「奈良」。実はストレスオフできているかを調査したランキングでも、沖縄42位、山梨33位、奈良32位と3県とも下位に名を連ねている。

これらの県に共通するストレス項目を調べると、その多くが「子育て」に関するもので、特に「教育」「コミュニティー形成」のストレスが高い傾向に。不安が多く、ただでさえストレスにさらされている子育て世代は、地方では居住地域が離れているケースが多く、なかなかコミュニティーに参加できなかったり、相談できる場所自体が少なかったりである。このため、情報収集や悩み相談を目的に長時間ネットやSNSを活用する傾向にある。

その行動がかえってストレスになってしまっている可能性が考えられ、早急な対策の必要に迫られていると言えよう。

※男女各7万人を対象に行った「ココロの体力測定2017」調査(メディプラス研究所)。