前立腺肥大症の手術の3つ目は、「HoLEP(ホーレップ=ホルミウムレーザー前立腺核出術)」を取り上げます。
HoLEPとはホルミウムレーザーを使って前立腺の内腺をくりぬく手術。まず、患者さんに麻酔をかけた後、尿道から内視鏡とレーザーファイバーを挿入します。そして、ファイバーを前立腺の内腺と外腺の間に挿入してホルミウムレーザーを照射。その時のかん流液は生理食塩水を使います。
ホルミウムレーザーは水に吸収される波長のレーザーで、生理食塩水をかん流させながら行う手術なので、安全にできます。加えて、レーザーの深達度は非常に浅く、0・4ミリ程度の深さまでしか入りません。内腺と外腺の境目に入れてレーザーを照射し、内腺をくりぬきます。その時、内腺はすっとはがれていきます。くりぬいた内腺はぼうこうに落とした後、それを細かく砕いて外に吸い出します。この手術は“身体に優しい手術”です。
私が最も多く行っている手術は、このHoLEPです。1998年にニュージーランドのギリング医師が開発。私は2001年、日本の2人の先輩医師にその手術の指導を受け、その年から手術を始めました。当時、日本にはHoLEPができる医師は3人だけでした。
HoLEPは、前立腺肥大症の手術としては、ベストなのですが、なかなか多くの施設で行われていません。それは手技が難しいからです。でも、私はこの手術は出血も少なく安全にできる手術で、最も効果のある間違いのない手術だと感じています。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

