秋から冬にかけて気温の変動や屋内外の温度差で、血圧は乱高下しがち。血管が硬く変性した動脈硬化が進んでいると、心筋梗塞や脳卒中のリスクも上がる。動脈硬化はLDL(悪玉)コレステロールとの関係が深いため、血液検査でLDLコレステロール値が高いと、脂質異常症の治療薬「スタチン」が処方されるのが一般的だ。心筋梗塞予防にも役立つ。

「効果的な薬にも、必ずといっていいほど副作用があります。スタチンは、エネルギー代謝に必要なコエンザイムQ10という酵素を減らしてしまうのです」とは、栗原クリニック東京・日本橋(東京都中央区)の栗原毅院長。肝臓の専門医でメタボなどの診療・研究を数多く手掛けている。

コエンザイムQ10が失われると細胞のエネルギー代謝に支障が生じ、元気がなくなる。加齢でも若い頃より活力が失われるため、スタチンの服用でコエンザイムQ10が減少しても、そのせいで元気がでないと気づかないことが多い。

「動脈硬化の程度を判断する頸(けい)動脈エコー検査で、動脈硬化に伴う狭窄(きょうさく)が進んでいる場合は、薬の治療もやむなしです。しかし、血液検査のLDLコレステロール値や中性脂肪が高いだけならば、まずは食生活の見直しが基本です」

動脈硬化に中性脂肪の役割が大きいことは、前回までに紹介した。動脈硬化の改善には中性脂肪を減らすことがなにより。

「運動と砂糖や炭水化物などを控えた食生活が重要です。中性脂肪は“中性シュガー”と考えましょう」