私はまずエクソソーム(幹細胞培養上清液)の安全性、大量生産ができることに将来性を感じました。そしてよく調べてみると、耳鼻科領域の論文は少ないのですが、他の領域では大量の論文が世界中で発表されており、今最もホットな研究分野であることが分かりました。
アルツハイマー、糖尿病、糖尿病から起きる血管疾患、男性型脱毛症、肝臓疾患、皮膚疾患など臨床試験結果は多岐にわたっています。C社長は21年に幹細胞培養工場を完成させ、既に婦人科領域、整形外科領域、形成外科領域で臨床試験が始めておられました。そして耳鼻科領域で当院と臨床試験を実施するとの合意を行い、臨床試験が始まりましたが、細胞を使わないので安全が担保され、難聴改善ではエクソソーム約7000億個分を1回で投与することができるので目を見張る結果が出てきました。
難聴は改善しないので、難聴と診断されれば補聴器を耳鼻科医は勧めます。しかし、補聴器を装着すると、より難聴が進行するので3年に1回程度で補聴器を新しくする場合が多いようです。これも患者さんにとって大きな負担です。ですから大事なことは難聴の傾向が見られたらすぐにエクソソーム治療を受けることです。早ければ早いほど治療回数が減り、患者様の負担は軽減できます。そのためにも早期の聴力検査をお勧めします。皆さまが受けておられる企業健診にもある年齢に達したら聴力検査を取り入れるべきと考えています。
次回は当院で取り組んでいる難病患者のQOL(生活の質)向上についてご説明します。
◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。

