長年、銀座のど真ん中で出産のできる産婦人科医院を開業しておられるF先生は、マスコミにもよく登場される高名な女医さんです。最近、出産育児を終え新たな人生を謳歌(おうか)している方々が「不定愁訴」に悩まれ、患者さんとしてF先生の医院に通院されています。

不定愁訴とは更年期障害が原因で起き、多くの女性を苦しめています。暑くないのに汗をかく、イライラする、肩こり、気持ちの不安感、頭痛など治療困難な病気です。更年期は閉経の5年前から始まり、約10年間も続きます。始まりが分かりづらいのでとても厄介なのです。更年期に入ったと分かれば対応の仕方もあるのでしょうが、認識するのが普通の方には難しいと思われます。重い症状になるとホルモンと自律神経のバランスが崩れ、不眠症、対人恐怖症などの症状が出ます。F先生の医院には毎日多くの更年期障害の患者様が通っています。以前紹介した医療機器メーカーのC社長がF先生と患者さんの同意を得てエクソソーム(幹細胞培養上清液)治療の臨床試験を始め、約40人の患者さんの協力を得られました。詳細はF先生が発表される予定の医学論文に譲りますが、多くの更年期障害の患者さんに喜んでいただいたそうです。特に精神的や肉体的疲労、不安感、高齢者の運動などが改善され、C社長はF先生からお褒めの言葉を頂きました。F先生のような重鎮の先生に褒めていただくことはめったにあることではないらしくC社長はびっくりしていました。

次回は人工透析を受けている患者様のQOL向上について述べます。

◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。