どのような医薬品でも医療機器でも、特別な場合を除いて最初から保険適用にはなりません。適用が受けられない医薬品や医療機器があります。通常は厚生労働省の承認を取得し、初めて保険適用の申請が可能になります。申請をして許可が出るまで1年から10年という年月がかかります。

しかし、富裕層の方たちは画期的な医薬品や医療機器を使った最先端医療をいち早く受けることを望みます。国民皆保険制度では許可が出るまで待たなければならないので、自由診療で受けることになります。最近で最も日本社会をにぎわせたのはノーベル賞を受賞した本庶佑先生が開発した分子標的治療薬「オブジーボ」でした。

オブジーボは2014年(平26)に皮膚がんの治療薬として承認を取り保険適用も受けました。しかし海外では効果が認められている他のガンには保険適用がありませんでした。そこで彼たちは、例えば肺がんの治療でオブジーボを使用するときは保険適用ではない自由診療での投薬治療を選択しました。その金額は当時年間3500万円。マスコミも騒ぎ立てその巨額な金額に国民は驚きましたが、死んではお金を使えません。ある有名な政治家は10年近く払い続けているとのこと、今でも元気に政治活動を行っています。

これほどの高額な例は少し特別ですが、次回はあなたの身近にある、保険適用を受けられない医薬品や医療機器についてお話しします。

◆都筑俊寛(つづく・としひろ)コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京院長、フランス国立神経学研究所客員教授、医学博士、日本耳鼻咽喉科認定専門医。01年よりいびき、鼻アレルギーに対するレーザー日帰り治療に特化を始め、レーザー日帰りいびき手術の総件数は2万4000例を超える。現在はエクソソームを活用した老人性難聴の治療や難病の予防、QOL改善にも取り組んでいる。