お子さんが自力で歯ブラシを持てるようになったら「自分磨き」を最初にさせ、保護者が「仕上げ磨き」する方法でチェックします。ここでのポイントは、必ず自分磨きの際も仕上げ磨きの際も、鏡で見ながら確認することです。小さい頃に自分の目で口の中を観察する習慣が身に着けば、その後の長い人生にも役立ちます。
三つ子の魂百まで…と言いますが、成人の患者さんがグー握りでゴシゴシ磨いてしまうのは、手が小さく歯ブラシをしっかり持てない幼少期に幼稚園や小学校で教わったやり方を忠実に守っていることが影響するようです。鏡を見ながら磨く習慣がプラスされれば、体格に応じた持ち方や、毛先の当て方のアップデートもスムーズに運びます。歯ブラシを口に入れたまま動き回り、転倒によってけがをするというリスク回避にもなります。
6歳~12歳ごろの混合歯列期(絶えずどこかの乳歯がグラグラして、生え変わりの永久歯が頭を出してくる時期)は「萌出性歯肉炎」という痛みと隣り合わせです。歯ぐきを突き破り永久歯が頭を出す際の一過性の痛みを指すのですが、この時期の子どもが当てずっぽうで歯ブラシを動かすとむき出しになった歯ぐき部分に毛先が当たり、出血や痛みの原因になります。
しっかり磨けないことで汚れがたまりやすく、さらに炎症がひどくなるという悪循環も引き起こします。理屈がわからないまま「歯ブラシは痛いもの」という思い込みが芽生えると、やがてオーラルケア自体がおっくうになり、わずかな期間で虫歯を作ってしまうお子さんも出てきます。生え替わっていく体の変化に気づき、痛くなく当てる術を工夫するためにも「鏡の前で磨く」はマストです。

