歯周病の大本の原因は、歯周病菌です。口の中には700種類ほどの細菌が存在するといわれていますが、体にとって良いものもあれば悪いものもあり、実にさまざまです。

この中で、虫歯や歯周病といった病気を引き起こす菌は当然悪いものとして扱われます。私たちがこの世に生まれ落ちた際にこうした菌がいることはなく、主に唾液を介して感染します。

現代では親からの口移しという習慣はほぼ淘汰(とうた)されていますが、同じコップに口を付けたり、大皿料理を直箸で取るような行為から菌の共有がはじまります。菌をもらったからといってすぐに病気になるわけではなく、宿主側の抵抗力に左右されます。極端な話、どんなに強力な菌が攻撃してきてもそれをはね返すだけのパワーを備えていれば発症しません。しかしながら100メートルを全力疾走しても平気だった20代と、階段を上るだけで息切れがしてしまう50代では体力が違います。年齢を重ねるごとに歯周病の罹患(りかん)率が上がる理由はここにあります。

歯周病菌に関しては、バリエーション豊かに種類がそろっている人の方が危ないといわれています。中でも悪性度が高い3菌種(レッドコンプレックス)のすべてを保有している人はハイリスクです。最も凶悪なポルフィロモナス・ジンジバリス菌がいる人は、5倍も歯周病が進みやすいのです。

年をとってから気を付ければよいわけではなく、若い頃から口の中が汚い人ほどこうした悪い菌を保有しやすいこともわかっています。長年じっくり温めていて、ある日突然発症するのですから怖いものです。菌をもらわない生活様式の徹底と、口が悪玉菌の培養装置にならないようなケア、この2本柱は必須です。