この数年、マスクを常用していた期間が続きました。初期に顕著だったのが「自分の口臭が気になる」という相談だったのに対し、最近では「家族やパートナーの口臭が強いのでなんとかしたい」という内容が増えています。マスクによって息がこもったことで、これまで気づかなかった自分のにおいに敏感になったのが、いざマスクを外すと周りのにおいが気になり始めたという環境の変化です。口臭はこのように複雑かつデリケートな問題でもあるため、客観的に把握することが大切です。まずは歯科医院で診断してもらうことをおすすめします。

口臭とは、口を開いた際に感知される不快なにおい全般を指します。「他人に不快感を与える臭気」と定義されているため、自分では全く気付かない人もいれば、周りは感じないのに本人はとても気にしているといったケースも多々あります。

口臭として認知されるものは大きく分けて<1>肺から発生するもの<2>中咽頭・下咽頭から発生するもの<3>口腔(こうくう)から発生するもの、の3つがあります。<1>は栄養を代謝する過程で発生する気体は絶えず血液中に含まれており、肺でのガス交換によって呼気として外に出てきます。健康であればほぼにおいはありませんが、糖尿病などの全身疾患があると臭気を発生することがあります。<2>は鼻からの分泌物や、粘膜に炎症が生じた際のうみや血液から発生します。<3>は口のなかのバイオフィルム(歯垢=しこう=や舌垢など)、炎症のある歯周組織から出てくるうみ、唾液などから発生します。

口臭の大半は<3>であり、口の中に原因があることがほとんどです。特に歯周病由来の口臭は強いガスを放つため、歯科治療の介入なくしては解決できない問題です。