口の中の細菌は多種多様ですが、口臭対策として押さえるべきは「嫌気性菌」の存在です。文字通り、空気に触れない部分に生息する菌なのですが、この菌がタンパク質を餌にして増殖する際の代謝産物から強いにおいが発生することがわかっています。口の中に残留した食べかすが栄養源になるのはもちろんのこと、歯周病が進行している人の場合は、歯ぐきから出る血液や炎症によって破壊された組織などが菌の好物です。つまり病状が進めば進むほど、口臭がひどくなっていくメカニズムです。
セルフケアではまず、こうした菌が増えないような清掃法をマスターすることが先決です。
一般的に磨き残しが出やすい場所は<1>歯と歯の隙間<2>歯と歯ぐきの境目<3>歯が重なっている(歯並びが悪い)ところ<4>臼歯(奥歯)の溝<5>抜けた歯の両隣や抜けた歯とかみ合う歯の溝、の5カ所といわれています。
<1>は歯間ブラシやデンタルフロスを使う<2>は歯ブラシの毛先を斜め45度に当てて磨く<3>はタフトブラシを使うか歯ブラシを縦にして磨く<4>と<5>は歯ブラシの角度を工夫して丁寧に当てるといった対策が考えられますが、歯科医院でサイズの合うツールを選んでもらうほうが的確です。
利き手の内側は磨きにくいため、患者さんによっては広範囲に汚れが残っていることがあります。手薄になりがちな部分を教えてくれる、アプリ連動型の電動歯ブラシなども活用すると良いでしょう。
歯ブラシや歯間ブラシを用いた機械的清掃をおろそかにして、洗口液やマウスウオッシュなどに頼った化学的清掃だけで口臭を退治するのは不可能です。しかし、実際には口臭を気にされている方の大半が、誤った見解で資源の無駄遣いをしています。

