7月に出演した日本テレビ系列「世界一受けたい授業」で、口の中にいる細菌を顕微鏡で拡大して見る企画を放映しました。オーラルケアを頑張るきっかけになったという声をあちこちからちょうだいするほど、視聴した方には衝撃的な動画だったようです。

口の中には700~800種類の微生物が存在しており、歯垢(しこう=プラーク)1グラム中には1000億以上の細菌がいるといわれています。便よりも菌数が多いことを知ると、気軽に他人と唾液交換などできないのが現実です。「親しいお付き合いの前にはデンタルチェックを欠かさずに」というのが、歯科医師からのアドバイスです。

歯垢はバイオフィルムとも呼ばれる細菌の集合体です。1つの細菌が時間とともに倍に倍にと増えていき、8時間後には256倍にもなります。1日経てばどうなるか・・・考えただけでも恐怖です。増殖するスピードが速いため、このぬめり汚れを丁寧に隅々までこそげ落とすことが大切なのです。

バイオフィルムは歯や歯ぐきだけでなく、義歯(入れ歯)やマウスピースなど、口の中に装着するものにも形成されます。このため、バイオフィルムが形成されにくいような表面コーティングを行うスプレーなども開発されています。

マウスピースで食事はできませんが、義歯は咀嚼(そしゃく)機能を補うために使う装置であるため汚れやすいのが特徴です。義歯を使う層は高齢者がメインであり、身体の抵抗力が弱まっていく時期でもあります。手がうまく動かせないなど、セルフケアが十分にできないことも考えられるため、誤嚥(ごえん)性肺炎等の予防には残った歯や義歯のプラークコントロールが必須になります。定期的な作り替えの検討や、衛生的な素材を取り入れた義歯など、対策はさまざまです。