マイオカインの効果で最も知られているのが、大腸がんの予防効果です。運動することで筋肉から分泌されたマイオカインは、大腸がんになりかかっている前がん細胞に作用し、アポトーシス(細胞の自死)に導く、というのがその仕組みです。

大腸がんと診断された人の数(2019年)は、男性約8万8000人、女性約6万8000人。死亡した人(2020年)は約5万2000人です。運動習慣を身に着けると、大腸がんを防げる可能性があることをぜひ覚えておいてください。

・血圧・血糖値を下げる効果

マイオカインには血圧や血糖値を下げる作用も知られています。現在、高血圧や糖尿病の人にとっては改善効果が期待できますし、今そうでなくても将来の予防になります。ぼくの内科外来では、高血圧や糖尿病の患者さんには、スクワットやランジなど足の筋肉を動かす運動をすすめています。

・冷えやむくみの改善

筋肉を動かすと血流がよくなるので、病気未満の冷え性やむくみなども改善してきます。

高齢になって寒がりになる人が多く、ももひきなど、若い時には使用しなかったものをはくようになるのは、筋肉が減少して発熱する力が弱まるからです。貯筋するためには、タンパク質を多くとり、運動習慣が大事なのです。