生命の起源は水中にいた単細胞の生物でした。多細胞に進化して、魚類となり、陸に上がって両生類から爬虫(はちゅう)類、鳥類、そして哺乳類へと進化し、やがて人類が誕生しました。その名残がぼくたちの脳にあります。
・「爬虫類の脳」と「獣の脳」
例えば脳の「視床下部」は「爬虫類の脳」ともいわれる古い脳で、呼吸、食欲など、生き抜くために最低必要な部分です。子孫を残すための性欲中枢もここにあり、生存のための根源的機能が詰まっているのです。
生き物の進化につれて、脳もだんだんと進化して複雑になっていき、視床下部の少し下に「獣の脳」といわれる「大脳辺緑系」が発達しました。長期記憶や喜怒哀楽などの「情動」の働きなどをつかさどる部分です。
この「獣の脳」は攻撃欲もつかさどっていて、ここが活発になり過ぎたりすると、自分の欲望を果たそうとして相手を痛めつけるような悲劇を招いてしまうのです。
最近、キレる人が増えているといわれますが、ほんのちょっとしたことにもヒステリックになってしまうのは、この「獣の脳」が暴れだしているということです。
では「キレない」ようにするにはどうしたらいいのか。それは大脳の外側にある「大脳皮質」、中でも「前頭葉」を活性化することです。前頭葉は理性、つまり寛容さや高度な人間性をつかさどっている部所で、ここが衰えるとキレやすくなります。
短期記憶も前頭葉に関係しています。前頭葉が老化してくると、短期記憶の能力が落ち、軽い認知症の症状が始まります。

