怖い病気のがんでも、早期に発見すると決して怖い病気ではなくなります。加えて、そのがんのリスク因子を知って早くから対応していると、がんリスクをぐっと抑えることができます。今回は、日本人の「膀胱がんリスク因子」を取りあげます。その膀胱がんのリスク因子としては以下の5つがあげられます。

<1>「喫煙」=タバコを吸っていると誰もが膀胱がんになるわけではありませんが、膀胱がんに罹患(りかん)した人の半数はタバコが原因、と言われています。

<2>「リンチ症候群」=リンチ症候群は生まれつき持っている遺伝子の変化が原因で大腸がん、子宮体がん、卵巣がんなどが起こりやすい疾患です。特に大腸がんが多いのですが、「腎盂(じんう)・尿管・膀胱がん」も起こりやすいことが分かっています。

<3>「膀胱結石」=膀胱結石のみならず、腎臓・尿管結石も同じです。5年、7年と長期に石がとどまっていると、そこに炎症が起きてがんができる可能性があります。

<4>「ヒトパピローマウイルス(HPV)」=HPVは子宮頸(けい)がんのウイルスとしてよく知られています。が、実はそれだけではなく、咽頭がん、肛門がん、膣(ちつ)がん、陰茎がんなどの原因にもなります。さらに、膀胱がんのリスクアップも指摘されています。

<5>「放射線治療」=前立腺がんなど骨盤への放射線治療後に膀胱がんのリスクがアップします。特に喫煙者はさらにリスクがアップすることが分かってきました。

この膀胱がんの重要な5つのリスク因子を知っておくとともに、予防できることやなくせるものはなくしましょう。絶対に行ってほしいのは、<1>によるリスクをなくすための“禁煙”です。禁煙により膀胱がんのリスクは下がります。タバコは“百害あって一利なし!”。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)