「椎体(ついたい)骨折」の手術は日々進歩している。秋田大学大学院医学系研究科整形外科学講座の宮腰尚久教授が解説する。

「後弯(こうわん)に加えて脊柱が横にまがってしまう『後側弯変形』がある患者さんでは、金属などを長い範囲に用いて背骨の並びを正常に戻すといった『脊柱矯正固定術』を行うこともあります。外科手術は最終手段なので椎体骨折が起きてしまう前の予防として最も重要なことは、薬物療法を開始することです」。

「骨粗しょう症」は重症化すればするほどコントロールが難しい。

「現在、国内で使用できる骨粗しょう症治療薬の多くは、椎体骨折の抑制効果があるものです。たとえば骨折が1カ所から2、3カ所と増えていくにしたがって、その次に生じる骨折のリスクが大きくなることがわかっています」。

骨折はそれが起きた場所だけではなく、全身の骨が弱くなっていると考えられる。

「骨折が起きた人は次の骨折が起きやすい。そのため“次の骨折を起こさない”ように薬の治療が必要です。できるだけ早く薬物療法を開始して重症化しないよう、その悪循環を断ち切る必要があるのです」(宮腰教授)。

骨粗しょう症対策を啓発する国際骨粗鬆(しょう)症財団は“最初の骨折を最後の骨折に”を目標に掲げている。「そのとおりで、骨粗しょう症は早期発見、早期治療が大事と考えてほしいです」と宮腰教授はアドバイスする。