「雪かき」で背中や腰を痛めるのはなぜか。秋田大学大学院医学系研究科整形外科講座の宮腰尚久教授がいう。
「たとえば骨粗しょう症の人が前かがみになり重い雪を持ち上げるとちょっとしたことでも骨がつぶれてしまいます。私たちがコンピューターシミュレーションモデルを使って行った研究では、正常な筋肉から徐々に体幹筋を弱めていくと、じつは『腰』から曲がって変形が生じ、重心が腰椎から前のほうに移動していきます。こうしたことから、体幹筋力が弱くなると椎体(ついたい)に悪影響を及ぼすということがわかりました」
テコの原理で椎体に大きな力がかかる。さらに骨密度がそれほど低下していなくても、骨折が生じるリスクがあるという。
「前かがみの姿勢を長く続けると肩こりや頸椎(けいつい)の椎間板への負担が増えるなどの影響が起きやすいと考えられます。ただし筋肉への力のかかり方は首を曲げている姿勢であっても、むしろ『腰』に、より大きな負担がかかっていることを示す研究もあります」。
じつは世間で話題のスマホの使い過ぎ(スマホ首)にもあてはまりそうなのだ。
「いずれにしても前かがみの姿勢は腰や背中に負担がかかるということは変わりがありません。スマホを使用して5年後あるいは10年後にどうなるかというデータは無いですが、こうした姿勢は首だけでなく背中、腰にも負担がかかっているということを知ってほしいと思います」(宮腰教授)

