ロコモティブシンドローム(ロコモ)の4つの兆候。1つ目が「階段の昇り降り」だ。埼玉県立大学医療福祉学部の山田恵子准教授が続ける。
「垂直方向の動きである階段の昇り降りは、つまり自分の脚で自分の体を持ち上げられるかということになります。具体的には40センチの高さの椅子から立ち上がりが片脚でできるかどうか」(山田准教授)。
もし“階段の昇り降りが少しキツイ”と感じるなら「痛み」に気をつけよう。その理由はまず、痛みの中にはがんの骨転移などの命にかかわる重大な病気が隠れていることがあるからだ。きちんと診断がつくことで、その後の治療方針にも役立つほか、痛みが長ければ長いほど治りも遅いといわれている。山田准教授によると、東日本大震災後のいわゆる『受診控え』により2年半後の関節炎の発症数が増加したという研究もある。
「痛みは急性からそのまま慢性になることも知られています。痛みがあるなら一度は整形外科を受診していただきたいですね」(山田准教授)。
痛みを放置して悪くなる前に早く手を打てば、それだけリスクが減らせる。「痛み」はそのサインというわけだ。
「また、変形性膝関節症があると階段昇降が難しくなります。変形膝関節症は推定2530万人で、40歳代から少しずつ増えていく女性に多い病気です。大腿(だいたい)骨と下腿(かたい)の骨の間にある軟骨と半月板というクッション組織が、加齢で軟骨がすり減り、関節が狭くなることが原因です」(山田准教授)。

