激しい痛みの痛風発作を起こす“痛風予備軍”の「高尿酸血症」。これは血清尿酸値が7・0 mg/dlを超えた状態です。その激痛の原因となる尿酸とは、どんなものなのでしょう。
私たちの身体は約60兆個の細胞からできています。その細胞は新陳代謝を繰り返しています。細胞には遺伝子情報を担うDNA、RNAといった中核をなす核酸があって、この核酸の主成分がプリン体です。古くなった細胞が壊れ、核酸が分解する過程でプリン体から尿酸が作られていきます。
つまり、尿酸は細胞の新陳代謝の結果、体内でこれ以上分解できない物質、最終代謝産物の1つ、“老廃物”になります。このほか、プリン体は活動するためのエネルギー源になるATP(アデノシン三リン酸)にも含まれていますし、多くの食品にも含まれています。体内で核酸やATPから作られるプリン体が約85%、食品から取り込まれるプリン体が約15%です。
このプリン体が肝臓に集められて尿酸が作られます。尿酸の約80%は腎臓でろ過され、尿に溶けて身体の外へ排出され、残りの約20%は便や汗と共に排せつされます。健康な人の体内では、尿酸の1日の産生量は約700ミリグラムで、排せつも同量でバランスがとれていて、体内の尿酸は一定に保たれています。
体内の尿酸の一定量は成人男性で1200ミリグラム。これを「尿酸プール」と言います。それが一定量に保たれているのですが、食事でプリン体を多く摂取するなど尿酸の産生が増えたり、腎臓から排せつされる尿酸が少なくなったりするなど、尿酸の産生と排せつのバランスが崩れると尿酸プールがあふれ、高尿酸血症になります。
高尿酸血症は、まだ症状はありません。それが持続すると結晶化が起こり、身体に害を及ぼすのです。健康な人は、このバランスがきちっととれている状態です。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

