50年間、内科医としてたくさんの命を診てきた。たくさんの死にも立ち会ってきた。
最近は、末期がんになって亡くなっていくときに、「楽しい人生だった」とか、「納得してる」とか、後悔しない人たちも少しずつ増えてきた。
死ぬときに後悔すること
病気が見つかった時に、既に体中に転移している進行がんの患者さんから、「がん検診やドック検診を受けていたらな」という声を聞くことがある。
脳卒中になった患者さんは、「血圧が高いのも血糖値が高いのも知っていたが、仕事が忙しくてきちんとコントロールしようとしてこなかった。もっと注意してたらなと思う」。
最近圧倒的に多いのが、介護保険を利用するようになった人たちからのこんな声。「脳卒中にもなっていないし、心筋梗塞も起こしていないのに、どんどん弱ってフレイル(虚弱)になってしまい、ちょっと転んだのをきっかけに大腿(だいたい)骨頸部(けいぶ)骨折。半分寝たきりになってきてしまった。10年前からもっと筋活にはげみ、家に閉じこもらずやりがいのあるボランティアや軽い仕事を続けていた方が良かった」。そんな後悔をたくさん聞いてきた。
介護保険を必要とする人の原因疾患は、転倒による骨折、筋肉量の低下によるフレイル。これにならないことが大事なのだ。
今回の連載は、どうすれば「死ぬときに後悔しない生き方」ができるかを考えてみたいと思います。

