今年3月、黒柳徹子さんと2人で書いた本「ずっと約束」の復刻版が発売となった。

トットちゃんは子供の頃、スパイになりたかった。でもクラスの男子から「おしゃべりはスパイになれない。スパイは美人で頭が良くなくちゃ」と言われて諦めた。

ピアニストに憧れたこともあった。でもピアノの先生に「1万人に1人ぐらい、うまくなれない人もいます」と言われて諦めた。

いいお母さんになって、子供に絵本を読んであげたかった。NHKに入れば絵本を上手に読めるようになるだろうと思った。お母さんにはなれなかったが、テレビの人気者になった。

【欠落人間かも】

週にレギュラー番組10本、睡眠時間は3時間。生放送が多かった。セリフを覚えるのは得意。38年続いたクイズ番組「世界不思議発見」では、抜群の正解率を誇っていた。でも自分は欠落人間だと言う。

引き算が苦手。ボタンが苦手。ものを持つとなぜかクシャクシャ。でも全部、笑い話にしてしまうところが徹子さんのすごさだ。

ぼくが17歳で人生に悩んでいた時、英作家クローニン全集を読んで救われたと話すと、「城塞」「帽子屋の城」、私も読みましたと徹子さんは答えた。ぼくがイラク難民キャンプでの子供支援の話をすれば、ユニセフ親善大使でイラクを訪れたときのことを話してくれた。

徹子さんは、ぼくのどんな話も見事に受け止めてくれた。トットちゃんは、欠落人間なんかじゃない。アインシュタイン、エジソン、黒柳徹子の3人をくくる人がいた。その通り。彼女は天才なのかもしれない。