誤嚥(ごえん)性肺炎には、食べ物を飲み込んで胃へ送る嚥下(えんげ)機能や肺機能の低下が関わる。特に飲み込む速度が遅いと、途中で気道のふたの喉頭蓋(こうとうがい)が、呼吸のために開くことで誤嚥リスクが上昇する。

「加齢に伴いゴクンと飲み込んで、食べ物や水分が食道へと送られる時間は遅くなります。若い人は0・6秒程度。高齢者で嚥下機能が落ちていると2~3秒程度もかかります」と、公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸ケアリハビリセンター副センター長の菅原玲子医師は指摘する。

ゴクンが正常か否か、簡単にわかる検査のひとつに「反復唾液嚥下テスト」があるという。方法は次のとおり。<1>のどぼとけに中指を軽くあてる。<2>30秒間で唾液を何回ゴクンと飲めるかを測る。

「30秒間に3回以上唾液を飲み込めるのが正常の目安です。唾液を飲み込む時に、のどぼとけに当てた中指から、のどが前上に持ち上がる動きや、飲み込む力を感じ取れます」(菅原医師)

2回以下の人は、嚥下機能が落ちている可能性があるという。心配な場合は、耳鼻咽喉科や摂食嚥下外来などで、詳しい状態を調べるのが一考だ。

「飲み込む力は筋肉が関わるため、日常会話が少なくて、口の周りの筋肉が衰えていると、嚥下機能も低下しやすくなります。老後の孤独は肺炎のリスクを上げるといわれています。ご家族やご友人とのおしゃべりを楽しみましょう。人との会話が苦手という人は、カラオケでも良いと思います。口と喉を動かしましょう」と菅原医師はアドバイスする。