ちまたではまだ耳慣れない「不整脈」。不整脈って、何だかよくわからない、「不正脈」って書かれたりして。確かに正しくはない脈ではあるけれど、まさに整っていない脈という不整脈ですが、うまく治せるものから命にかかわる怖い不整脈までさまざまです。

心臓の調律では、遅い脈を徐脈、速い脈を頻脈と呼びます。その定義は、心拍数が1分間に50回以下を徐脈、1分間に100回以上を頻脈と定義します。人間は眠ると脈は遅くなり、走ったり興奮したりすると脈は速くなる生理的徐脈・頻脈がありますが、一方で病的な徐脈ではペースメーカーの植え込みが必要となる場合や、病的頻脈ではカテーテルを挿入して患部を焼くカテーテルアブレーション治療を必要とすることがあります。

不整脈で受診する患者さんの中には、家庭血圧計で測った際に脈がバラバラのために心拍数が計測不能の表示が出たために受診となることがあります。病的不整脈であることが少なくなく、期外収縮や心房細動と診断された場合には十分に治せることも多いため、経験豊富な専門医を受診することをお勧めします。

当院に受診される患者さんの多くは、症状の有無にかかわらず脈が整っていないという脈の異常(不整脈)である場合や、心臓の拍動の異常である「動悸(どうき)」を自覚する方も多いです。その場合、自分の症状を自分なりに説明できるようにしておくことが大事です。

例えば、拍動が強く規則的にゆっくりドキンドキン、規則的で速いトットット、不規則に拍動が途切れるトントンウッなど。速い拍動の場合、その頻拍は突然始まり突然止まるのか、徐々に始まるのか、徐々に収まるのか、など症状が説明できるかどうかで、正しい不整脈診断を得る上で重要な場合も多々あるからです。さらに長時間心電図を含めた検査による客観的評価が必要となります。

◆鵜野起久也(うの・きくや)不整脈専門医、循環器専門医、医学博士。1986年札幌医科大卒業。国立循環器病センター(現国立循環器病研究センター)を経て米国留学。帰国後は母校、土浦協同病院などで不整脈治療に専心し、登山家三浦雄一郎氏の心房細動の手術医としてエベレスト登頂成功を後押し。故郷札幌ハートセンターではカテーテルアブレーション治療数を日本一に。理想の治療を行うため2021年に東京心臓不整脈病院(東京・江戸川区平井)を開設。