WPW症候群と呼ばれる不整脈病があります。WPWとは、この病気を持つ患者と発見した医者2人の名前の頭文字からそう呼ばれています。心臓の司令塔である刺激伝導系と全く異なる副伝導路と呼ばれる余分な電線を持っているものです。心電図の異常がある時に房室回帰性頻拍と呼ばれる発作性頻拍を引き起こします。
正規の電気回路である刺激伝導系は特殊心筋でできています。電気の流れを整える整流作用があるので、危険な電気を流さないようにブレーカーが落ちて命を守ってくれます。一方、副伝導路は単なる心筋でできているためにブレーカーが落ちません。心房からの電気がどんどん心室に流入してしまいます。その結果、心室頻拍や心室細動という命に関わる不整脈を引き起こし、AEDを使わないと助かりません。
500人に1人の割合で見つかります。なぜ余分な電気回路があるのでしょうか。それは、母親の胎内で命が生まれる時期にさかのぼります。受精卵が子宮に着床した後、心臓は着床後1カ月ほどで動き出します。初期の心臓は1本の管でできていて、管が2回、3回とねじれくびれて4つの部屋になります。この時4つの部屋がねじ切れず、筋肉の細い束が残ってしまったのがWPW症候群です。
この心臓がつくられる大切な時期の母体環境に何らかの理由があり、起こってくるものです。心筋症などの心臓病やある種の心臓奇形に合併することがあり、遺伝が関係していることがありますが、多くはありません。母親の生活環境習慣によるものでもありません。
まぶたの一重か二重ぐらいの違いです。カテーテルアブレーションで完全に治すことができますので、深刻に考えなくても大丈夫です。

