皆さんの中には、自分自身や家族が心房細動の治療中の方や、これから始めようとする治療をどうするか悩んでいる方もいらっしゃることと思います。リモデリングのせいで心臓が変形してフランケンシュタイン化する、と不安をあおっているのではありません。どのようなタイプの心房細動であろうと、今できるベストな選択肢を真剣に考えてほしいのです。
心房細動の治療の核心はリモデリングを止めることに尽きます。心房細動を「いつ治す」「いかに治す」「どうつきあう」かを考えていきましょう。
まず「いつ治す」のかです。カテーテルアブレーションに関しては正直、早く適切な決断が大事です。
発作性心房細動では、電気スパークの発生源が70%の肺静脈ならば治すことは比較的容易です。問題は残りの30%です。発生源をいかに見つけて治すかは、施設によって成功率が大きく異なるのが現状です。
さらにリモデリングが進行した長期持続性心房細動では、電気スパークの発生源が肺静脈から心房筋側に移ってしまうので、肺静脈部分だけのアブレーションでは太刀打ちできません。追い打ちをかけるように心房細動が止まらないという難題が加わります。電気スパークにすぐに反応してしまう心臓の過敏性を抑える治療が必要になってきます。
その治療には、心房筋の電気の流れ具合や心房細動の電気漏電の特徴を調べた上で、カテーテルアブレーションが可能です。ただし、これも施設の成功率に大きな差があるのが実情です。
検診で心房細動が見つかればリモデリングを止めるために善は急げですが、飛びついてはいけません。治療医の経験・実績などの情報やこの連載で不整脈を身近に学んでIQを高めることも大切です。

