国際オリンピック委員会(IOC)は1日、パリ五輪のボクシング女子66キロ級2回戦で、昨年の世界選手権では性別適格検査で不合格となりながら今大会は出場が認められたイマネ・ヘリフ(アルジェリア)が、アンジェラ・カリニ(イタリア)に勝利したことを受けて広がった騒動を受け、声明を発表した。

IOCは「すべての人は差別なくスポーツをする権利がある」という一文から始まる4ページの英語長文を発表。「2024年パリオリンピックのボクシング競技に参加するすべての選手は、競技の資格と参加規則、およびパリ2024ボクシングユニット(PBU)が定めるすべての医療規則に従う。これまでのオリンピックボクシング競技と同様に、選手の性別と年齢はパスポートに基づいている」とした。

そして「PBUは、東京五輪ボクシングのルールを基準にして、2024年のパリ大会の規定を策定した」とし、「選手の準備への影響を最小限に抑え、オリンピック大会間の一貫性を保証するためだった。東京大会のルールは、2019年に国際ボクシング連盟がIOCによって資格停止され、その後2023年に承認が取り消される前に施行されていたリオ大会後のルールに基づいている」と記した。

さらに、今大会に出場しているヘリフを含めた2人の女性選手が「誤解を招くような情報が報道されている」とした。そして「2人の選手は、東京大会、国際ボクシング協会(IBA)世界選手権、IBA公認トーナメントなど、女子カテゴリーで長年国際ボクシング大会に出場してきた。この2人の選手は、IBAによる突然の恣意(しい)的な決定の犠牲者だった。2023年のIBA世界選手権の終わりごろ、彼らは正当な手続きなしに突然失格となった」と説明した。

試合では、カリニはヘリフと数回パンチをかわすと開始35秒ほどで、タイムをとってセコンドに異変を訴えるようなしぐさをした。再開もヘリフのパンチが1度顔面に当たると、左手をあげて再びセコンドに行き、審判からは棄権を宣告された。

試合後、カリニは涙を流した。BBCスポーツによると「鼻に強い痛みを感じた。自分の命も守らなければならなかった」などと話したという。

ヘリフは前回の2021年東京大会も出場している。