【パリ3日=佐藤成、阿部健吾】五輪サッカー女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランキング7位)が準々決勝で米国(同5位)に0-1敗れ、2大会連続のベスト8で終わった。過去39戦で1勝の強敵に力負けした。昨年の女子W杯も含め、メジャー大会で3大会連続でベスト8の壁を破れなかった。

日本は前半から組織的な守備がハマり、相手にほとんどチャンスを作らせなかった。序盤こそ主導権を握られて押し込まれたが、徐々にペースをつかんだ。30分ごろからは、左サイドを突破し、エースFW田中美南(30=ロイヤルズ)がシュート。GKの正面をついたが得点機を迎えた。

直後にも左サイドのクロスにファーサイドでフリーのDF守屋都弥(27=INAC神戸)がシュートを放った。米国は日本の守備に手を焼いている様子で前半をスコアレスで折り返した。

後半開始から日本はMF清家貴子(28=ブライトン)に代えてFW浜野まいか(20=チェルシー)を投入。攻撃のスイッチを入れた。ボール保持率も徐々に上がり始めると、後半25分には植木理子(25=ウェストハム)を投入。直後にペナルティーエリア内右に侵入した長谷川唯(27=マンチェスター・シティー)が鋭い折り返しを放ったが、惜しくも味方に合わなかった。

拮抗した展開が続いた。後半アディショナルタイム。ロドマンにドリブルで持ち込まれたが、エリア内で古賀塔子(18=フェイエノールト)が鮮やかなスライディングで防ぐ。連動した守備力が光った。試合はスコアレスのまま延長戦に突入した。

延長前半6分にはDFラインでボールを奪われ、1対1となるピンチを迎えたが、GK山下山下杏也加(28=INAC神戸)がシュートセーブ。守護神が得点を許さなかった。

そして延長前半アディショナルタイム。ロングパスを右サイドで受けたロッドマンに、鋭い切り返しから左足で豪快にゴールを決められた。均衡が破られた。

延長後半、再びロドマンにカウンターからシュートを浴びたが山下がセーブ。ここはオフサイドだった。日本は1点を追って懸命に反撃に出た。しかし米国も中央を固めてはね返す。このままゴールを奪えず、あと一歩のところで敗れた。

なでしこは大会中、試練が続いた。

大会前の強化試合でDF北川ひかる(27=INAC神戸)とMF林穂之香(26=エバートン)が負傷。MF谷川は合流時から別メニュー調整だった。初戦のスペイン戦では攻守の要、DF清水梨紗(28=マンチェスター・シティー)が負傷離脱して敗戦。失意の翌日には高速鉄道TGVへの破壊行為で移動手段の変更を余儀なくされた。第2戦前には初戦で得点を奪った主力のMF藤野あおば(20=マンチェスター・シティー)が古傷を悪化させてメンバー外と想定外が続いた。

それでも意地はみせた。

第2戦ブラジル戦では後半追加タイムの2得点で劇的勝利。勢いに乗った第3戦では復帰した北川やエースFW田中美南(30=ロイヤルズ)にゴールが生まれ、「死の組」C組を2位通過。池田太監督(53)は「ほんとにタフになってきていると思います。いろいろなことが起きているのをチームの力で乗り越えてしっかりと戦えた」と一体感に手応えを示していた。

米国戦前にMF宮沢ひなた(24=マンチェスター・ユナイテッド)は「本当にこの壁を突破するのは簡単なことではないですけど、今の自分たちなら絶対にできる。皆の力を合わせてチャレンジするだけ」と自信をみせていた。

試合前夜には夕食後に選手ミーティングを実施。より強固な絆で挑んだが、強敵にはね返された。