W杯個人総合首位の渡部暁斗(29=北野建設)が、平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)前最後の大会で5連勝を逃し、3位にとどまった。前半飛躍(ヒルサイズ=HS134メートル)は8位。トップと1分17秒差だった後半距離(10キロ)で意地を見せ、6戦連続の表彰台を確保した。前日3日はジャンプで大差をつけ勝利、今回は後半距離で競る形と金メダルへ2パターンのレースを展開。地元での経験を力に大舞台へ向かう。
最後は意地が勝った。渡部暁は右足を突き出し、3位に入った。後半距離でのポルチク(チェコ)との3位争い。ラスト約80メートルからデッドヒートを演じ、ほぼ同時に飛び込んだところがゴール。倒れ込み写真判定となったが、0秒1差で自身に“軍配”が上がると座り込んだまま小さく右手を握った。93年の荻原健司以来の5連勝は逃したが、6戦連続の表彰台。「3位は確保しないとというプライドの差」と胸を張った。
五輪前最後の大会を「最高の形」で締めた。前半ジャンプは116メートルで8位。後半距離は首位と1分17秒差もあった。直近3試合はジャンプでトップに立ち逃げ切る形だったが、この日は前を追う展開。個人総合2位のシュミット(ノルウェー)と交互に集団を引っ張ったが、ラスト9・1キロでライバルがスパートするとついていけなかった。
完敗とはいえ、五輪前に競るレースができた意味は大きい。「久しぶりの競るレースでペース配分がつかみ切れなかった。でも、2つのレースを経験し全部を網羅した上で五輪に臨める」と前向きだった。
金メダル候補に挙げられるが「プレッシャーはない。五輪がダメでも死ぬわけではない」と頼もしい。8日にいよいよ平昌に入る。日本のエースが堂々、悲願へ挑む。【松末守司】


