W杯個人総合首位の渡部暁斗(29=北野建設)が、平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)前最後の大会で5連勝を逃し、3位にとどまった。前半飛躍(ヒルサイズ=HS134メートル)は8位。トップと1分17秒差だった後半距離(10キロ)で意地を見せ、6戦連続の表彰台を確保した。前日3日はジャンプで大差をつけ勝利、今回は後半距離で競る形と金メダルへ2パターンのレースを展開。地元での経験を力に大舞台へ向かう。

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 後半距離での1分17秒差は渡部暁の走力を考えれば追いつけるタイムだった。ほぼ同時にスタートしたシュミットと引っ張り合いながらレースを進めたが、相手が前に出た時にそれほど追わなかったのが結果的に誤算だった。総合優勝争いをする2人だが、渡部暁は試合に勝つため、相手は渡部暁に勝つため。目的の違いが2人の差に出たレースで決して力負けではない。

 今日は風に恵まれず飛距離が伸びなかったとはいえ、ジャンプの安定感が今の好結果を生んでいる。飛距離を出したくて助走路で前に突っかかる選手が多いが、渡部暁は自分のポジションにバランス良く乗り、カンテ(飛び出し口)でしっかり力を伝えられている。不利な条件でも戦える位置にいられるのはそのため。以前は上半身から動き始めて力を伝えきれない時もあったが、今は迷わず立てている。結果が出て気持ちに余裕があるのもいいのだろう。

 平昌五輪までは、W杯と同じようにいつも通りの調整をすればいい。個人戦は2種目あるので金メダルの確率は80%はあると思う。(94年リレハンメル五輪団体金メダル)