前回ロンドン大会の金メダリスト、松本薫(28=ベネシード)が連珍羚(台湾)に優勢勝ちし、銅メダルを獲得した。松本は2大会連続のメダル獲得。日本勢はこの日までに行われた6階級すべてでメダルを獲得している。

 相手の内股をこらえ、寝技で押さえ込む場面もあったがポイントは奪えず。一進一退の攻防の中、3分29秒で小内刈りで相手を倒し、有効を奪うと、そのまま逃げ切った。

 畳を降りた際には涙が込み上げたが、スタンドから声をかけられると笑顔で手を振りながら引き上げた。

 試合後は「もう一度負けているので、負けられないという思いで戦いました。金メダルを目指していたので負けてしまったときにどう切り替えようと思ったけど、何も持たないで日本に帰れないと思いました」と短期間で気持ちを切り替える難しい戦いを振り返った。連続メダルで自分をほめても良いのではという質問には、黙って首を横に振った。ただ「(日本のファンが祝福を)送ってくれているならうれしいです」と応援に感謝した。

 表彰式ではメダルをかけられるときは笑顔を見せたが、写真撮影を終えるとメダルを外し、悔しさを隠せなかった。「うれしいのと悔しいのと甘酸っぱい感じです。(力を)出し切ってきました。今はこの銅メダルでも受け止めて、日本に帰りたいと思います」と振り返った。