桜で「おもてなし」をしたい! 8月に東京オリンピック(五輪)マラソン・競歩が開催される札幌市内で、季節外れに咲き誇る桜で街を彩ろうという活動がスタートしている。「北海道雪氷桜(せっぴょうざくら)プロジェクト2021」は、北海道ならではの雪を活用して真夏に満開にさせる桜で選手たちを応援する。

   ◇   ◇   ◇

真夏の札幌に桜を咲かせる。計画は着々と進められている。今月26日、空知の北部に位置する沼田町で、小さなつぼみをつけた約3300本の桜の枝を高さ5メートルの雪山に埋める作業が行われた。松前町や新ひだか町、礼文町、標津町など道内32の自治体から集まったソメイヨシノやエゾヤマザクラ、ヤエザクラは、剪定(せんてい)作業で不要になった枝を譲り受けている。北海道雪氷桜プロジェクト実行委員会の越智文雄委員長(63)は「五輪が無事開催されることを祈って。その頃にはコロナも収束していてほしい。『希望の桜』です」と願いを込める。

雪氷の冷熱エネルギーで保存することで、桜の開花を遅らせる。束ねられた枝と雪を交互に積み重ねてコンテナに入れ、クレーンを使って雪山に埋める。その上から土をかぶせることで、雪は夏になっても溶けず桜は休眠を続ける。7月中旬から下旬に掘り起こし、その後は札幌市内の生花店で水分を与えられながら育てられ、マラソン・競歩が行われる8月5~8日に満開を迎える。

道民も計画に参加することで気運を高める。20日に北海道神宮で行われた枝切りや結束作業に参加した札幌の小学2年の女の子は「チョキチョキするのが楽しかった。桜が夏に咲くことなんてできるんだ」と笑顔。保護者も「間接的にだけど五輪に携われればと思って参加した」と話した。

リベンジを果たしたい。プロジェクトは20年の五輪開催に向け2年前に試験が行われ、昨年は本番に向け作業が進んでいた。五輪開催の1年延期が決定した3月には、すでに桜の枝は全道から集められていた。計画は続行し8月に咲いた桜は、新千歳空港や札幌市内などで展示された。

今度こそ五輪の舞台で咲かせたい。沿道応援が可能になれば、桜の枝を配布して、桜で彩られたコースを選手が走る光景が理想だ。無観客の場合には、展示や選手、宿舎への贈呈を考えている。【保坂果那】