日本選手権競輪(ダービー)は誰もが欲しいタイトルなので、皆この大会に向けて調子を合わせる。参加選手が多いので勝ち上がりは厳しい。そのことが、さらにダービーの重みを際立たせる。

引退して12年目、今でもダービーのことを考えるとピリッとする。争覇級にいる選手は、さらにその思いが強いだろう。


ヤマコウが初日特選で注目する脇本雄太
ヤマコウが初日特選で注目する脇本雄太

昨年のGPは古性優作が勝ち、脇本雄太は3着。そして今年のG1全日本選抜は脇本が勝っている。「強い」古性に対して、脇本には「速い」という表現が使われる。しかし、速いだけでは頭打ちの時期が来るとの思いから、徐々にヨコの動きも意識している。

得手不得手がある上に、誰でもまくれるとの思いがあるだろうから、なかなかうまくいかない。脇本が位置取りを磨きたいと思っても、人気を背負っているので、他の選手のように中団で粘ると前の選手が駆けない。そうすると、無駄に中団にこだわるより、一気に引いてカマシやまくりのタイミングをうかがう。人気に応えようとするあまり、番手の選手が追走できずに脇本だけが1着に来ることもある。

前走川崎G3・2予は、1着を取りながら勝利者インタビューではファンからの厳しい声が飛んだ。脇本ならもっと早く仕掛けられるだろうとの声だった。彼も人間だし、ひと息つきたい気持ちも分かる。番手選手の実績で走り方が変わるのは仕方ない。

特選11Rは古性が番手なので早めのカマシも考えられる。初戦は力でねじ伏せてダービーを有利に進めたいところだ。(日刊スポーツ評論家)