初日に取り上げた犬伏湧也は、先行してよく粘った。先行1車の利を生かしたとは言え、末足がしっかりしていた。その裏に小倉竜二のアドバイスがあったようだ。「いつもより遅いタイミングで踏み直せ」は『先行の癖が読まれているので少しずらせ』という意味だが、それを実践し、すぐ結果を出す犬伏は好調と言える。小倉は「俺はもう抜けんけどね」と自虐で笑いを誘って閉めた。

初日の地元勢は川口公太朗と竹田和幸の脱落はあったもののよく頑張った。聖二と話していると、落胆した表情で公太朗が加わった。「初日の記憶がないんですけど、今日は初日が終わったんですか?」とショック過ぎて現実が受け入れられなかったようだ。それでも「明日から初日かー、頑張るぞ!」と自らに言い聞かせる公太朗の姿を聖二は温かく見守っていた。

ヤマコウは後輩の川口聖二にエールを送った
ヤマコウは後輩の川口聖二にエールを送った

聖二は、昨年岐阜G3の準決、村田祐樹の番手で離れ、決勝進出を逃した。今年は1予から連係して悪いイメージを払拭した。「村田が手加減してゆるくカマしたからです」と遠慮気味に言うが、プラス材料には違いない。

今回はいつものゴール前ではなく敢闘門前で1着インタビューを行い、ファンと遠く離れたところで「よいしょー!」と盛り上げる姿はシュールだった。「いつもそうですけど、岐阜の雰囲気は明るいですよ」と無邪気に答える姿は一服の清涼剤だ。ただ、それで戦力が厚いなら文句ないが、今は激弱なのが痛い。聖二は明るく芸達者なので伝わりづらいが、真剣にレースに取り組んでいることは私は十分分かっている。

(日刊スポーツ評論家)