準決で取り上げた阿部英斗は落車再乗の8着。単騎戦の難しさを感じただろう。近況のレースは犬伏湧也の先行回数が多いので、まずはこのラインの後ろを回り、様子をうかがっても良かった。好位を取る基本は、まず本線の近くにいること。阿部のヨコの実力なら回れただけに残念だった。

新山響平、先行を貫いた先に優勝があるか(撮影・鈴木正人)
新山響平、先行を貫いた先に優勝があるか(撮影・鈴木正人)

準決12Rの新山響平は、「風が吹き荒れるコンディションだったので、後ろもきついだろう」との計算で突っ張り先行。いつも通りの戦法のように見えるが、さまざまなことを考えて先行していると感じた。

前回の青森G3の初日特選は、石原颯の先行を3番手からまくって2着。しかし、新山は納得していなかっただろう。決勝は石原に先行させないという組み立てだった。特選のことがあったので、石原はいったん7番手に引いて再度、新山をたたく。結果は石原のカマシに乗った松浦悠士が優勝した。新山は、先行選手として互角の評価で青森を終える。そして、今回の準決も青森決勝と同じようなレースの流れになり、新山は石原を合わせ切って2着で決勝入りを決めた。先行選手として石原に競り勝ったといえるだろう。レース後は「各ラインの利害が一致して勝ち上がれた」と話したが、価値ある走りだった。

決勝は、吉田拓矢が関東の先頭で先行を視野に入れて走るだろう。新山もタイトルは欲しい。しかし、一番大切にしたいのは自分がどう走るかのように見える。自分の先行を貫いた先に優勝があるのか、その結果を見届けたい。