新たな伝説を打ち立てた。脇本雄太(33=福井)が豪快まくりでKEIRINグランプリ(GP)を初めて制覇した。4度目の挑戦で福井勢で初めての頂点。公営競技選手として日本初の年間獲得賞金3億円超えも果たした。2着はぴたり続いた古性優作、3着には近畿2人を追った地元郡司浩平が入り、4車の北日本は松浦悠士の分断策の前に敗れた。


KEIRINグランプリを初制覇した脇本雄太(左)は藤原紀香(右)から花束を受け取り笑顔(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを初制覇した脇本雄太(左)は藤原紀香(右)から花束を受け取り笑顔(撮影・鈴木正人)

脇本がついに、日本の頂点に立った。古性に肩を抱かれて祝福されると、1万人を超える大観衆に向けて、右拳を突き上げて喜びを爆発させた。「五輪が終わってから、日本の競輪に戻って、GPを目標にしてきた。1年越しになるが、目標を達成できて、良かった」と喜びの声を上げた。


KEIRINグランプリを制した脇本雄太(中央)(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制した脇本雄太(中央)(撮影・鈴木正人)

本来の走りでつかんだ日本一だった。「松浦君の動きが冷静に見えていた。自分の動きたいポイントでしっかり動けた」と勝利を振り返る。同じ東京五輪代表で、別線のライバル新田が松浦に翻弄(ほんろう)された。同時に脇本もターゲットを見失う。それでも、慌てなかった。


KEIRINグランプリを制し、ガッツポーズする脇本雄太(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制し、ガッツポーズする脇本雄太(撮影・鈴木正人)

「いつも通り打鐘から仕掛けようと思った。少し緊張して手が震えたけど、古性君を信じて仕掛ければ…」。打鐘過ぎ3角からの発進は、過去に何度も別線をねじ伏せてきた得意パターン。内にいた単騎勢も、先に自力に転じていた新田ものみ込み、最後は古性も振り切り、福井勢で初めてGP覇者となった。


 
 

公営競技選手として、史上初の年間獲得賞金3億円を突破した。しかも、1年間で日本選手権(ダービー)とオールスター、そしてGPの“超ビッグタイトル”3冠達成も史上初の偉業だ。S級記録の21連勝も樹立し、競輪界の歴史を大きく塗り替えた1年だった。五輪後に骨折が判明した腰の深部のけがは、まだ完治していない。それでも「史上初」はさらに増えるに違いない。


 
 

大観衆の待つ表彰式。カートに乗って向かう新王者を、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」のテーマ曲が迎えた。ゲームが大好きな脇本にとっては最高の演出となった。「来年はチャンピオンジャージーを着るので、その責任を果たせるように。また1年間頑張ります」。これはまだ序章。絶対王者として23年を迎える脇本雄太。そして、伝説へ-。【山本幸史】


KEIRINグランプリを制し、シャンパンファイトする脇本雄太(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制し、シャンパンファイトする脇本雄太(撮影・鈴木正人)

◆脇本雄太(わきもと・ゆうた)1989年(平元)3月21日、福井市生まれ。科学技術高卒。競輪学校(現養成所)94期生として08年7月に福井でデビュー。G1は18年オールスター、寛仁親王牌、19年日本選手権、20年高松宮記念杯、寛仁親王牌、22年日本選手権、オールスターと7度制覇。自転車トラック日本代表として16年リオデジャネイロ、21年東京五輪出場。20年世界選手権ケイリン銀メダル。通算838戦339勝、通算獲得賞金は10億4503万5700円。180センチ、72キロ。血液型A。


KEIRINグランプリを制し、ガッツポーズする脇本雄太(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制し、ガッツポーズする脇本雄太(撮影・鈴木正人)