サッカー日本代表(FIFAランク26位)が、リベンジに成功した。昨年10月7日の前回対戦で、0-1と敗れたサウジアラビア(同51位)に2-0と快勝。

FW南野拓実(27=リバプール)の最終予選初得点で先制し、アシストした「イナズマ純也」ことMF伊東純也(28=ゲンク)が、4試合連続得点となるボレーシュートで追加点をマークした。これでチームは5連勝。B組2位の座をキープし、首位サウジアラビアに勝ち点1に迫った。

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「イナズマ純也」が、後半5分に降臨した。ペナルティーエリア外の右で、長友からのパスを胸トラップ。右に軌道を変えると、右足一閃(いっせん)。対角線上のゴール左上へ、追加点となるライジングシュートを突き刺した。「半分ラッキー。行ったところもラッキーだった」と謙遜した金色のイナズマさん。「自分のゴールで勝ったのはうれしいし、チームが勝てたことが一番うれしいです」。これで4試合連続得点。止まらない。どよめきに近いため息も鳴りやまない。

光り輝いていたのは、前半から。32分。右サイドバックのDF酒井から、右サイド深くのスペースにロングボール。「ヨーイどん」で始まった相手DFとの競り合いも、稲妻のようなスピードで置き去りにした。マイナス気味に、グラウンダーのクロスを供給。ピッチで転がりながら、MF南野の先制点を見届けた。「最後きつかったけど、チームのために走って勝てればいいと思って、最後までみんな集中切らさずにできたと思います」。1ゴール1アシストで全てを出し切った。

“裏方”として見ていた光景を絶景に変えた。サウジアラビア・ジッダでの前回対戦は、累積警告でピッチに立つことはかなわなかった。それでも、遠征に帯同していた。「個人的には出たい気持ちがあったけど、しょうがないというか。何が出来るかなと思って」。チームの応援、裏方業務に回った。アップ後のボールの片付け、声掛けに従事。そんな中、目の前で起きた0-1。「チームとして戦っているので、負けたのは非常に悔しい」の1日から、待ちに待った1日。「今日は絶対に勝たなきゃいけない試合だった」。チームに笑顔を照らした。

「自分はあまりプレッシャーを感じるタイプではない。緊張感を楽しんで結果を出したい」とマイペースを貫く。負ければ、サウジのW杯出場が決まっていた試合でも「相手が強い方が自分は生きるタイプ」と言葉通りに、相手に衝撃を食らわせた。

ホーム2連戦を2勝で締め、これで5連勝。「最初3試合で2敗してしまって、難しい状況でしたけど、みんなが諦めず一丸となってやったから、近づいてきているのかなと思います」。次は敵地で3月24日に3位のオーストラリア戦。W杯切符は見えている。「W杯出るのは簡単じゃないけど、絶対に出なきゃいけない」。イナズマ純也が、オーストラリアの地でもエースとして君臨する。【栗田尚樹】