ガンバ大阪のFW中村敬斗(18)がJ1初ゴールを挙げた。同点の後半7分に、FW渡辺のシュートをGKがはじき、こぼれ球を右足のシュートで決めた。値千金の決勝ゴール。チームをクラブタイ記録の21年ぶり9連勝へ導いた中村は、現在高校3年生だ。
「シュートの時、ダフった(打ちそこねた)けど、ダフったから逆に入ったのかな」
前半のミスを挽回した。1点リードの前半43分、ゴール前でクリアボールを空振りして失点につなげてしまった。「やっちゃった」。チームは8連勝中。1-1のままでは連勝を止めてしまう。「ハーフタイムは1-1なら完全に戦犯だな、と。プレー自体は悪くなかったので、あまり気にしてはいなかったけど…。点を決めたらチャラになるかな、と思って。ゴールを決められたので、良かった」と、胸をなで下ろした。
チャンスがめぐってきた。下部組織出身以外では初めての飛び級プロ契約選手として鳴り物入りで今季加入。レビークルピ前監督からも期待を受け、3月10日川崎フロンターレ戦で初先発した。同14日のルヴァン杯アウェー浦和レッズ戦では途中出場で公式戦初ゴールを記録。17歳7カ月14日のカップ戦ゴールはクラブ最年少記録となった。だが、7月に宮本監督が就任後は「オフ・ザ・ボールの動き」を課題に挙げられた。
レビークルピ監督時代は17試合で14試合出場。一方、宮本監督体制ではこの日を含めて16試合でベンチ入り4度。出場はこの日で2試合目だった。J1の舞台が遠い現実。中村自身、自分に足りないものを分かっていた。
「入った当初は得点以外で見たら、プロのレベルに達していなかった。クルピ監督に使ってもらっていたから、自分もそこまで危機感を感じていなかった。そのままズルズル。体もキレていなかった。でも今は体重も体脂肪率も変わった。動きやすさが違う」
毎日居残り、守備の意識から変えた。J3のガンバ大阪U-23で実戦を積み、指揮官も「ここ1カ月半の中で(光明が)見えてきた」と認めるようになった。
MF倉田が累積警告の出場停止だったとは言え、つかんだ出番。試合前、指揮官から声を掛けられた。「律より結果が足りない」。中村と同じように高3でプロ入りした下部組織出身の日本代表MF堂安律(20=フローニンゲン)と比較された。堂安はプロ1年目の17年、J3で21試合10得点と圧倒的な存在感を放っていた。中村はJ1での出場数は上回っていたが、J3で14試合4得点。本人も「普通に比べたら僕の方が劣っている。それをストレートに言われた」と受け入れた。それでも「スイッチが入って、やる気は出た」と力に変えた。
中村はしっかり結果に残した。「前半で交代させられていたら、今後の人生に響いていた。ここでチャンスつかみ取れないと、上に行ける人じゃない。今日こういうチャンスをものにできたので上にいく1歩になったかな」。決勝弾で勝利に導いた。次はクラブ新記録の10連勝。扉を開けた18歳は必ずG大阪の力になるはずだ。



