代表ウイークのため中断していたプレミアリーグが11日から再開される。
まだ3試合を消化しただけだが、現時点で最も大方の予想を覆しているといえるのがトットナムだろう。リーグで唯一3戦全勝で勝ち点を9とし、首位に立っているのだ。
トットナムは07-08年シーズンにリーグ杯を制して以来、無冠が続いている。リーグ戦は60-61年シーズン以来、優勝から遠ざかっており、FA杯も90-91年シーズンに優勝してからトロフィーを手にしていない。
エースでイングランド代表の主将を務めるFWハリー・ケーン(28)もそんな状況に嫌気がさし、今夏、優勝のできるクラブへの移籍を切望していたとされる。ここ数年のトットナムは、現在3連敗でリーグ最下位のアーセアルとともに「なんであの2チームがマンチェスターの両クラブ、チェルシー、リバプールとともに“ビッグ6”に入っているの?」と、やゆされる存在となっていた。
それが昨季までウルバーハンプトンを率い、今季から就任したポルトガル人のヌーノ・エスピリト・サント監督(47)のもと、チームに光明がさしつつある。ヌーノ監督はあの手この手を使って、前任者であるジョゼ・モウリーニョ監督(現ローマ監督)のもとバラバラになったチームを1つにまとめようとしているのだ。
英デーリーメール電子版によると、昨季は選手同士が非難しあうことも多く、ロッカー室の中でも分断が起きていたという。ヌーノ監督はそうしたネガティブな雰囲気を取り除き、チームを一丸とするために、まずプレシーズンのトレーニングから、毎日同じ時間に選手、コーチ全員で食事を取るようにした。
さらに選手、コーチが練習場で会う時には、こぶしとこぶしを合わせて(日本でいうところのグータッチをして)あいさつすることを義務化した。チームにより家族的な雰囲気をもたらし、良好なコミュニケーションを築くためだ。
またヌーノ監督とともにトットナムにやってきたフィットネス担当のアントニオ・ディアス・コーチはフィジカルトレーニングでも前向きに取り組めるように多彩なメニューを用意。つらい練習中もケーンやデレ・アリら選手たちから笑顔が絶えないという。
一方でヌーノ監督は選手に対して遠慮しない部分も持っている。元イングランド代表GKジョー・ハートに対しては「君はどんなことがあっても、ここでプレーする機会はない」とはっきり伝え、同GKはスコットランド1部セルティックへと去って行った。
現時点ではその家族的なクラブの雰囲気と、同監督の現実的な部分がうまくかみ合って、チームは好転しているように見える。トットナムは今後、11日にクリスタルパレスと、そして19日にはホームで欧州王者チェルシーと激突する。ベルギー代表FWルカクを加えたチェルシーは紛れもなく優勝候補の一角。トットナムが開幕戦でマンチェスターCを下したような会心の試合運びができれば、今季プレミアリーグはより面白くなる。【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)


