0-1でアストンビラに敗れた9月25日の試合後、同点のチャンスにPKを外したマンチェスター・ユナイテッドのポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデス(27)が自身のインスタグラムにメッセージをアップした。

「PKを外して負けてしまったことについて、僕以上に落胆している人はいないと思う」「僕はいつでも大きな望みを持ち、献身的に、ピッチに自分のすべてを置いてくる選手だ。そして今後もそれを続けるつもりだ」「強くなって戻ってくる」などと書き込み、試合に負けたことへの謝罪の気持ちを表した。

チームメートのイングランド代表MFジェシー・リンガード(28)は9月14日の欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグ・ヤングボーイズ(スイス)戦でバックパスをさらわれ、決勝点を決められた。リンガードも試合後、インスタグラムに「自分はいつでもチームとファンのためにベストを尽くしたいと思っている。サッカーではミスは起こってしまうもの。立ち上がって、また前へ進みたい」と書き込んだ。

これらの投稿にかみついたのがマンチェスターUのOBで元イングランド代表DFのガリー・ネビル氏(46)。同氏はフェルナンデスやリンガードの投稿が本人によるものではなく、彼らが契約しているPR会社が考えたものだと推測。「もし謝罪のコメントがしたければ、テレビかビデオ投稿でするべき。そうすれば自分自身の言葉だと分かる」とツイートした。

ネビル氏が指摘するように2人の投稿がPR会社によるものかは不明だ。だが、昨季欧州CL準々決勝の後にこんなこともあった。マンチェスター・シティーがドルトムントを破った直後、マンCフォーデンが準決勝で対戦するパリ・サンジェルマンのエムバペに対し「準備はいいか?」とあおるようなツイートをし、直後に削除したのだ。フォーデンは投稿がSNSを管理するPR会社によるものだと説明し、同社との契約を打ち切った。

日本では、PR会社やマネジメント会社が選手本人に代わって、SNSに(本人が実際に書いたふうに)投稿することはほとんどないように思う。マネジャーらがイベント情報などを選手のSNSに記す場合は、ちゃんと「マネジャーです」などと、ただし書きを加えている。

ただ、じゃあ日本のアスリートがいつでも自分の言葉で話しているか? と言われれば、それも違うかなと思う。今夏の東京五輪直前の選手たちはインタビューで判で押したように「見ている人に勇気を…」と繰り返していた。

本田圭佑(リトアニア1部スドゥバ)が賛否両論を巻き起こしながらも常に人々の注目を集めているのは、自分の言葉で語るからだろう。大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチロー氏も現役時代、常に言葉を選びながら独特の言い回しで自分を表現していた。インタビューをする前からイチロー氏が何を言うか、想像ができたことなどただの1度もなかった。

SNSにしろ、試合後のインタビューにしろ、テンプレートのような言葉を並べるのは楽かもしれない。だがそれでは選手としての価値も高められないし、人々に影響を与えることはできない。アスリートたちにはもっともっと社会に影響を与える存在であってほしいと思う。【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)