22-23年シーズンのスペインリーグは今月4日に全日程が終わり、各チームが現在、束の間のオフを過ごしている。そんな中、今回は欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得した4チームを中心に今季を振り返り、来季に向けた補強状況を追ってみた。

■Rソシエダードが4位と躍進

バルセロナのスタメン。前列左からアラウージョ、プリム、ロドリゲス、ファティ、トーレ、後列左からデヨング、ケシエ、レバンドフスキ、アロンソ、ガルシア、GKペーニャ(2023年6月6日撮影)
バルセロナのスタメン。前列左からアラウージョ、プリム、ロドリゲス、ファティ、トーレ、後列左からデヨング、ケシエ、レバンドフスキ、アロンソ、ガルシア、GKペーニャ(2023年6月6日撮影)

バルセロナは昨夏、1億5000万ユーロ(約225億円)以上を投じてレバンドフスキ、クンデ、ラフィーニャなどを補強。堅固な守備を武器にシーズンを通じて安定したパフォーマンスを発揮し、スペインリーグ史上の最少失点記録に並び、4節を残して4季ぶり27度目のリーグ戦王者に輝いた。

クラブ史上初の6冠を目標に掲げたレアル・マドリードはエースのベンゼマが序盤からフィジカル面に問題を抱え、さらにワールドカップ(W杯)後に調子を崩す選手が続出。さらに後半戦に入りタイトな日程による試合数増加に苦しみ、首位バルセロナと勝ち点10差の2位でフィニッシュした。

アトレチコ・マドリードはW杯の疲れをまったく感じさせないグリーズマンの活躍が大きく作用し、後半戦の勝ち点最多獲得チームとなったが、前半戦の出来の悪さがたたり、2位Rマドリードと勝ち点1差の3位で終了した。

レアル・ソシエダードMF久保建英(ロイター)
レアル・ソシエダードMF久保建英(ロイター)

レアル・ソシエダードは今季、特に華々しい活躍を見せるチームとなった。序盤からけが人が続出したにもかかわらず、アルグアシル監督の素晴らしい采配に加え、開幕戦でいきなり決勝点を記録し、シーズンを通して素晴らしいパフォーマンスを発揮した久保建英の活躍もあり、ビリャレアルやベティスのプレッシャーをはねのけ、リーグ戦を4位で終えて10季ぶりに欧州CL出場権を獲得した。

■来季欧州カップ戦に8チーム

4位の常連であったセビリアは昨夏、守備の要を2枚失ったことが大きく響き、一時は降格圏まで順位を落とすほどの低迷ぶりを見せた。その後2度の監督交代を経て、3月にメンディリバルが監督就任したことが功を奏し、リーグ戦は12位に終わったが、欧州リーグでは史上最多7回目の優勝を成し遂げ、来季の欧州CL出場権を獲得。どうなることかと思われたシーズンを華々しい形で終えることに成功した。

セビリアが最後に奮闘したことでスペインから来季、欧州カップ戦に8チームが参加する。その内訳は欧州CL5チーム(バルセロナ、Rマドリード、Aマドリード、Rソシエダード、セビリア)、欧州リーグ2チーム(ビリャレアル、ベティス)、欧州カンファレンスリーグ1チーム(オサスナ)。

一方でエルチェ、エスパニョール、バリャドリードの2部降格、2部から1位グラナダと2位ラス・パルマスの昇格が決まっている。そして現在、残りひと枠を1部昇格プレーオフ決勝に駒を進めたレバンテとアラベスが争っており、今週末に決定することとなる。

■Rマドリードはベリンガム獲得

ジュード・ベリンガム(2022年11月22日撮影)
ジュード・ベリンガム(2022年11月22日撮影)

各チームは現在、約1カ月間のオフシーズンを過ごしているが、休むことなく8月12、13日の週末に開幕、来年5月25、26日の週末に閉幕予定の23-24年シーズンのスペインリーグに向けて取り組んでいる。

上位陣で特に例年に比べ大きな変化が予想されるのは、ベンゼマ、アセンシオ、マリアーノ、アザールのFW4人が退団したRマドリード。イングランド代表MFベリンガムをドルトムントからクラブ史上2番目となる移籍金1億300万ユーロ(約154億5000万円)プラス出来高払いで獲得。さらに、手薄な左SBをカバーすべく下部組織出身のスペイン代表DFフラン・ガルシアをラヨ・バリェカノから500万ユーロ(約7億5000万円)で買い戻し、アセンシオが抜けた穴を埋めるため、ミランに3年間、期限付き移籍で所属したスペイン人FWブラヒム・ディアスが復帰した。クラブは現在、ベンゼマの代役を探しており、その候補にイングランド代表FWケイン(トットナム)やスペイン代表FWホセル(エスパニョール)などが挙がっている。

■バルサはブスケツの後釜捜し

セルヒオ・ブスケツ(2022年12月6日、撮影・パオロ ヌッチ)
セルヒオ・ブスケツ(2022年12月6日、撮影・パオロ ヌッチ)

バルセロナは長年チームを支えてきたブスケツとジョルディ・アルバが退団。来季補強の第1候補だったメッシはクラブの不透明な経済面がネックとなり獲得できず、現在、ブスケツの後釜を優先的に探している。これまでスペイン代表MFスビメンディ(Rソシエダード)、ドイツ代表MFキミッヒ(バイエルン・ミュンヘン)、ドイツ代表MFギュンドアン(マンチェスター・シティー)、モロッコ代表MFアムラバト(フィオレンティーナ)、ポルトガル代表MFルベン・ネバス(ウルバーハンプトン)、クロアチア代表MFブロゾビッチ(インテル)などの名前が出ているが、具体的な動きはない。

その他、スペイン代表DFイニゴ・マルティネス(ビルバオ)の加入が決定的で、18歳のブラジル代表FWビトール・ロッキ(アトレチコ・パラナエンセ)と合意済みとの報道が出ている。そして現時点では期限付き移籍からアブデ(オサスナ)、ラングレ(トットナム)、ニコ(バレンシア)、デスト(ミラン)などが復帰する予定である。

Aマドリードはすでにトルコ代表DFソユング(レスター)とウルグアイ代表DFサンティアゴ・モウリーニョ(ラシン・モンテビデオ)のCB2人の加入が決定的となっており、現在、両サイドバックと守備的MFの3人の補強に動いている。

期限付き移籍していたジョアン・フェリックス(チェルシー)、クーニャ(ウルバーハンプトン)、ロディ(ノッティンガム)、サムエウ・リーノ(バレンシア)、リケルメ(ジローナ)、カメージョ(ラヨ・バリェカノ)、マヌ・サンチェス(オサスナ)などが戻ってくる。中でもシメオネ監督との確執が大きく取り上げられていたジョアン・フェリックスの去就に注目が集まるだろう。また、カラスコはバルセロナ移籍の可能性があるとされている。

■イ・ガンインPSG移籍濃厚

イジャラメンディが退団したRソシエダードは今夏、即戦力となる3~5人の補強を目指しており、すでに右サイドバックの強化でマリ代表DFアマリ・トラオレをレンヌから獲得。現在、期限付き移籍の契約終了でライプチヒに戻らなければならないチーム得点王セルロートを残留させる仕事に取り組んでいるほか、左サイドバックとシルバの代役も務められるポリバレントな能力を備えたMFの2人を最優先で探しているとのことだ。また期限付き移籍からポルトゥ(ヘタフェ)やカリカブル(レガネス)などが戻ってくる。

イ・ガンイン(2021年3月24日撮影)
イ・ガンイン(2021年3月24日撮影)

その他のチームで特に注目されているのは、マジョルカの韓国代表MFイ・ガンイン。今季の活躍が高評価され、すでに移籍金2200万ユーロ(約33億円)でパリ・サンジェルマン行きが濃厚と報じられている。

来季のスペインリーグ組み合わせ抽選会は今月22日に開催され、バルセロナ、Rマドリード、Rソシエダードがそろって予定しているように、各チームの今夏のプレシーズン開始日は7月10日が目安となっている。束の間のオフを楽しんだ選手たちは新たな戦いを開始することになる。

【高橋智行通信員】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「スペイン発サッカー紀行」)