どーもです。今日紹介するのは、PXGのニューモデル「Black Ops」アイアンです。今回試打した3モデルでは、最も打ちやすさを目指したモデルだと思われます。しかしこれは、あくまでもメーカー的な最大公約数的ターゲットであって、このクラブに限らずゴルフクラブであれば、必ず「合う」「合わない」は出てきます。この「Black Ops」アイアンはPXGスタジオでの試打時から、結果が出せませんでした。今回の試打でも、その傾向は変わらずでしたが、何はともあれ、レポしたいと思います。


まずは見た目から。


「Black Ops」アイアンは複合素材モデルで、PXGが現時点でもてる技術を惜しみなくつぎ込んだモデルのようですね。

フェースはミッドラージ。でもパッと見では、「0311XP GEN7」アイアンよりもわずかにブレード長が短めにも感じました。

ソール幅はフェースの大きさに対して適当だと思いますが、「0311XP GEN7」アイアンよりもネック側が狭く、トウ側が気持ち広めにも感じました。

ネックはちょいグース。「0311XP GEN7」アイアンよりもわずかにグースがついた感じ。ボディは全体的にファットでした。

構えてみるとこんな感じ。トップブレードの厚みが確保されているので、より安心感はあると思うけど、個人的にはぼってり系かな。あと、個人的に苦手に感じたのが、バックフェースの厚みが見えること。アイアンで唯一見た目で苦手なのが、これなんですよね。

今回試打したのは、トゥルーテンパー社製スチールシャフト「ダイナミックゴールド105」S200装着モデルの#7。スペックは、ロフト角28度、ライ角62度、長さ37.5インチ、総重量415.7g、バランスD1。シャフトスペックは、重量105g、トルク未発表、元調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、重量的にはやや軽め。グリップもやや細めですね。この「Black Ops」アイアンもシャフトは前出2モデルと同じモデルを装着しており、素振りした感覚は「0311XP GEN7」アイアンと似たイメージですが、なんかしっくりこないような…


実際に打ってみると、確かに打ちやすさは感じます。ボクが考える“打ちやすさ”の絶対条件は、“ボールの上がりやすさ”ですが、その点は文句なし! 払い打ち系でも、ボールを上げようなんて意識は一切不要でしょう。また、ミスヒットの寛容性についても、今回打った3モデルでは最も高いと思います。では、ボクにとって何が合っていなかったのか? それは、高慣性モーメント(以下「ハイMOI」)を疑っています。ヘッドの大きさや、構えた時にバックフェースの厚さが視界に入るほどなので、この「Black Ops」アイアンはほぼ間違いなくハイMOIモデルだと思います。ハイMOIモデルはミスヒットの寛容性が高くなる一方、ボクのようにフェースの開閉が大きいタイプだと、1度フェースが開くと閉じにくくなり、右にドーンと抜ける傾向が強くなります。その結果、ロフト通りの飛距離を得られなくなることもあります。スタジオでの試打を含め、今回もほぼ同ロフトの「0311XP GEN7」アイアンで約174yマークに対し、この「Black Ops」アイアンは約164y。10yの差が生まれてしまった原因は、単にボクの不調だけでなく、このハイMOIが合わなかったからだと感じています。ということはつまり、ボクと逆のスイングであれば“合う”ということも想定できると思っています。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら

【3球平均】

HS37.1m/s、初速47.3m/s、打ち出し角19.3度、バックスピン量4832.8rpm、サイドスピン-7087.5rpm、飛距離163.9y

【ベスト】

HS37.2m/s、初速47.5m/s、打ち出し角19.3度、バックスピン量4628.0rpm、サイドピン-801.2rpm、飛距離165.8y


打感はマイルド系だけど、「0311 GEN7」シリーズよりも若干鈍さがあったかな。まあ、でもそれはたまたま同じタイミング打ったから感じただけで、単体でなら気付かない程度の差です。音は「0311 GEN7」シリーズよりもやや低めだったから、そう感じたのかもしれません。


弾道はこんな感じで

そのスカイトラックデータはこちら

弾道的には高弾道。前述通り、ボールの上がりやすさは文句なし。でも、この上がり方を考えると恐らく低重心モデルだと思うのですが、弾道を見る限り、そこまでスピン量が少ない感じもしなかったんですよね。実際3球平均で約4800rpmと、ロフトが1度立っている「0311XP GEN7」アイアンよりも約600rpm多めでした。まあ、この辺はボクの打ち方の問題かもしれませんが…。


出球傾向は、ボクのスイングでドロー系ですが、油断すると右にドーンと抜けることも多々ありました。


シャフトフィーリングと振り感ですが、このシャフト自体はマイアイアンと同シャフトです。でも、なんかこの組み合わせだとバランス以上にヘッドの自己主張が強い感じかな。この辺が「0311XP GEN7」アイアンとの大きな差に感じました。


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS40~43m/s辺りにオススメ。間違いなく打ちやすさを目指したモデルですが、おそらくハイMOIモデルなので、ボクのようにフェースの開閉が大きいタイプはNGかな。つまり、フェースローテーションが極力少ない方向けと言えるでしょう。


今回の試打で改めて感じたのは、「見た目で違和感を覚えたモデルは結果が出しにくい」ということと、「必ずしも小振りなアイアンがボクレベルに合わないわけでもない」ということです。実際、今回試打した3モデルで最も好印象だったのは「0311P GEN7」アイアンでした。そして、「0311XP GEN7」アイアンと「Black Ops」アイアンの飛距離ですが、ロフト的に考えれば10yの差が生まれるほどでないはずです。これはあくまでも想像ですが、「Black Ops」アイアンに見た目で「バックフェースの厚みが…」と思った時点で、何らかの調整をしていて、気持ち良く振り切れていないのかなと思いました。実際、HSが約1m/s違いましたからね。この辺が、ゴルフクラブ選びの“難しさ”と同時に“面白さ”かなと思った次第です。

<PXG「Black Ops」アイアン>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:8▽上がりやすさ:10▽操作性:8▽構えやすさ:7▽打感の柔らかさ:9▽ミスの許容度:10