おはようございます。風邪や寒さ、花粉症に負けずにゴルフしてますか? 私も、新しいシーズンに向けて着々と準備を進めています。せれにゃん塾塾長の青木瀬令奈です。今週のテーマは「コースマネジメントの妙」です。押しかけ挑戦者、谷繁元信さんとの対決は終盤7ホール目に入ってきました。さあ、どうなる!?

長いパットをねじ込んでガッツポーズの谷繁さん
長いパットをねじ込んでガッツポーズの谷繁さん

「外せば負け」が確定しそうなロングパットをねじ込んだ勝負強い谷繁さん。最終的にスコアを決めるパットは重要ですが、ゴルフではどんなショットも同じ1ストローク。それを生かすのも殺すのも、コースマネジメントにかかっています。

ボールを曲げるか、曲げないかも、そのマネジメントの1つ。最近のクラブは、比較的ボールが曲がらないようにできていますが、まっすぐ打つことばかりを考えるとゴルフは難しくなってしまいます。考え方を180度変えて、ボールを曲げるスキルを上げてみましょう。

「え~っ!? なんで?」と言われそうですが、よく考えてみてください。だって、スライスボールに悩んでいる人は、それとは逆のことをすればスライスの度合いが減らせる理屈でしょ? 逆だって同じこと。右に曲げるスキル、左に曲げるスキルを身に付けることで、悪い癖を矯正したり、絶対に打ってはいけない場所に行かないようなゲームができるようになるんです。

青木プロはバーディーパットがわずかに届かず
青木プロはバーディーパットがわずかに届かず

谷繁さんも「まっすぐ普通に打つのは難しいですよね」と、言っていましたが、まったくその通り。パーシモン世代の人たちは、ボールを曲げてゴルフを組み立てるのが当たり前だったそうです。用具の進化とともに「まっすぐ打つのが当たり前」というような風潮になり、クラブの開発もそういう方向になってきました。でも、私はそうじゃないと思っています。

曲がりにくいクラブでも「曲がらないように」打とうとすると、曲がった時に動揺してしまう。「まっすぐ」だと、球筋のイメージもしにくいから、コースマネジメントが描きにくい、と言い換えてもいいでしょうか。

曲げるスキルを上げることで、ショットの精度を上げて、リスクを減らす。むやみにまっすぐばかりを求めないことで、コースマネジメントもよくなるということです。思考を根本から変えてみましょう。

◆青木瀬令奈(あおき・せれな)1993年(平5)2月8日生まれ、群馬県前橋市出身。2006年日刊アマ全日本女子に史上最年少の13歳で優勝。数々の実績をアマ時代に残す。11年にプロ転向。17年ヨネックスレディースで初優勝。19年賞金ランキング35位。三和シヤッター工業所属。身長153センチ。

◆谷繁元信(たにしげ・もとのぶ)1970年(昭45)12月21日、広島県生まれ。強肩捕手として島根・江の川(現石見智翠館)からドラフト1位で横浜(現DeNA)入団。01年オフに中日移籍。リーグ優勝5度、日本一2度。3021試合出場のプロ野球記録。現役時代は176センチ、81キロ。ベストスコアは69。

取材・構成 遠藤淳子(清流舎)

撮影 浅見桂子

協力 葛城GC(静岡・袋井市)