さあ、9月です。ゴルフには気持ちいい季節がやって来る、はずです。そこで皆さんのお役に立つのが「タケ小山のゴルフ即効薬~今週の処方箋」。毎週火曜日タケ小山(53)がお出ししている“読むお薬”で、さらに楽しんでください。今週のテーマは「アプローチ上手は1ヤードを磨く」です。スコアメークの肝であるアプローチ。その練習方法を伝授しちゃいますよ。さあ、いってみよう!


1ヤード先の目標にキャリーする練習を徹底的にすれば、ピタリとピンに寄せるアプローチ上手になれるはず
1ヤード先の目標にキャリーする練習を徹底的にすれば、ピタリとピンに寄せるアプローチ上手になれるはず

 ベストスコア更新のために、一番効率がいいのはどのどんな練習でしょう? ドライバーを飛ばすこと? キレッキレのアイアンを打つこと? ブブーッ! どちらでもありません。ショートゲームを磨くこと。これに尽きます。

 タケ小山がアメリカで試合に出ていた頃も、一番練習したのはショートゲーム。それが自分のゲームを作る土台となっていたのです。それほど、ショートゲームは大切です。

 ショートゲームを磨く、と一言で言っても、いろいろな方法があります。けれども、一番の早道を教えるのが「ゴルフ即効薬」。だから今日やるのは「1ヤードのアプローチ」です。「たった1ヤード?」と侮ることなかれ。1ヤードを打つ練習を徹底的にしておけば、クラブを替えるだけで自然にさまざまなバリエーションのアプローチが打てるようになるからです。

 1ヤードを狙う練習をするのは、目標物が近ければ近いほど、易しいからです。例えば、自宅リビングでくつろいでいる時、ついついゴミをゴミ箱に向かって投げてしまうことはありませんか? ごみ箱が近ければ簡単に入るけど、遠いとその分、難しくて外れが多い。これは誰でも分かりますね。

 アプローチでも同じなんです。同じ5ヤードのアプローチでも、SWなら3/4はキャリーで打つから、狙うのは3・75ヤード先。8Iなら1/3がキャリーだから約1・7ヤード先が狙いになります。では6Iならどうか。キャリーはたったの1/5。つまり狙うのは1ヤード先でいいと言うことになります。どれが一番易しいかは、説明するまでもありませんね。

 もちろん、それぞれのクラブの飛距離をきちんと把握していなければできる技ではありません。少し前(6月20日)のテーマ「ウエッジの飛距離を知ろう」でやったように、フルショット、スリークオーター、ハーフショットなどでの自分のショットがどれだけキャリーして、ランがどれほど出るのかが分かっていることが大前提です。

 これで1ヤード先の目標にキャリーする練習を徹底的にすれば、ピタリとピンに寄せるアプローチ上手になれるはずです。プロや上級者はほとんどがやっている練習ですよ。

 1ヤードなら、自宅でも上手にやれば練習できるはずです。さあ、今すぐ、やってみよう!


今週の処方箋

1ヤードを笑う奴は1ヤードに泣く

【服用法】1ヤードの練習なんてバカバカしい!という人も多いかもしれません。でも、そうやって笑うヤツをスコアで見返してみましょう。ピタピタと寄るあなたのアプローチは怖いもの知らずのはずです。


 ◆タケ小山(こやま)本名小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


◆協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)

◆取材・構成 遠藤淳子(清流舎)

◆撮影 松本俊