プロ8年目の菊地絵理香(26=オンワードHD)が、涙のツアー初優勝を飾った。首位スタートの最終日も69とスコアを伸ばし、通算9アンダー。第1日から首位を譲らぬ完全Vで、2位に5打の大差をつけた。プロテスト、QT失敗を経てプロ転向し、13年日本女子オープンで痛恨のV逸を味わった道産子が、力強く逃げ切った。昨年大会でツアー最年少優勝を飾ったアマチュア勝みなみ(16)は47位だった。
照れ笑いが涙に変わる。18番グリーン脇で、菊地は吉田と抱き合った。「いつになったら勝てるんでしょう」-。グチを聞いてくれた先輩プロを見て、8年分の思いがあふれ出た。
「長かった気はします。最初はすぐQTをクリアして、すぐ結果を出して、と思っていた」。中3で日本女子アマ4強になったトップアマがプロの壁に泣かされてきた。プロテストは07年の初挑戦が不合格。初シード奪取はプロ5年目の12年。13年日本女子オープンは最終日の終盤に首位に立ったが、16、17番の連続3パットで2位に終わった。
そこが転機だった。勝利のカギを握るパットの考え方を変えた。「絶対に入れたい時でも、絶対にタッチを変えないようにした」。時にラインを消すほど強く打っていたタッチを捨て、常にジャストインを心掛けた。オフには男子のパット名人の谷口徹に教えを請い、ハンドファーストのインパクトを徹底した。
余裕を持ち、転がりが良くなったパットは威力を発揮した。9番で12メートルのロングパットを放り込み、15番でカラーから6メートルを入れた。部門別ランクの平均パット数は昨季52位から、今季は現在2位になった。
賞金ランクは1位に浮上。「すぐ抜かれますよ~」と笑うが、6月15日の全米女子オープン日本地区予選(兵庫・有馬ロイヤルGC)の挑戦も決めた。「勝てなかったのは、技術不足だったから。もっと技術を磨いていきたい」。雪を割って芽吹く草のように、26歳の道産子が春を迎えた。【加藤裕一】
◆菊地絵理香(きくち・えりか)1988年(昭63)7月12日、北海道苫小牧市生まれ。ゴルフはティーチングプロの父克弥さんの影響で6歳から。福嶋晃子に憧れ、プロを志す。中3で日本女子アマ4強。東北高2年の05年ミヤギテレビ杯14位でベストアマ。07年サードQTの資格でプロ転向し、08年プロテスト合格。12年賞金ランク43位で初シード。昨季は2度のプレーオフ負け2位があり同ランク23位。157センチ、52キロ。

