小平智(26=Admiral)が67で回って通算9アンダーの207で、首位に3打差の6位からの逆転優勝を狙う。本来ショットメーカーだが、オフに猛特訓したパットの向上もあって好スコアをマーク。昨年の日本オープン優勝により、既に全英オープン出場権は持っており、目指すは通算4勝目だけだ。

 2番パー5、小平は残り225ヤードから3番アイアンでピン右10メートルに2オン、イーグルパットを見事に流し込んだ。「あれで気持ちが楽になった。67につながった」。17番では5メートルのバーディーパットを沈め、18番パー5も2オンさせ、「難しいラインだから寄せるだけ」と絶妙なタッチで楽々2パットバーディーだ。

 飛距離とアイアンの切れには定評がある。これにパットの安定感が加わった。オフに「練習はうそをつかない」と猛練習。「ショットと同じ。練習量を重ねればシンに当たってくれる」と信念は揺るぎない。

 向上のきっかけになった練習方法がある。カップに対し、4方向(スライス、フック、上り、下り)の2ヤード地点にティーペグを刺し、3球ずつ×4方向=計12球連続して入るまで続ける。1球でも外したら、また1から数え直す。「自分で考えました。飽きっぽい性格なのでゲーム感覚で」。2時間かかることもあれば30分ですむことも。「負けず嫌いなので」と毎日、12球連続入るまでやめない。この日のプレー後は11球目に失敗してうなだれる場面もありながら、40分でノルマを達成した。

 以前はピンをデッドに狙うばかりだったが「パターに自信があると『グリーンに乗せておけばいい』と楽にゴルフができる」。コースマネジメントにも幅ができ、自らの成長を実感している。3打を追う最終日に向けても「優勝する気持ちで」と迷いがない。【岡田美奈】